多くの日本人に好んで食べられている「オクラ」。
実は名前の由来は英語の「Okra」で、日本の食べ物ではなかったのです!
そうですよね!
著者もこれを知ったとき、同じような気持ちになったものです。
そこで疑問を解決すべく、現役WEBライターの著者が「オクラ」の語源を徹底リサーチ。
このページでは「オクラ」の名前や由来、日本語での呼び方についても解説していきます。
ぜひ、最後までお読みいただき、疑問の解決や語学力アップにつなげてくださいね!
オクラの名前の由来は英語だった!
今となっては、名前どころか日本の食材としてすっかり定着している「オクラ」ですが、その由来や語源はどのようなものなのでしょうか。
ちなみに語源由来辞典には以下のような記載があります。
「オクラ」は日本語のような名前だが、英語「okra」からの外来語。
「okra」は「オクラ」を意味する西アフリカガーナ地域の言葉「nkuruma」に由来する。
引用元:語源由来辞典
日本で呼ばれる「オクラ」は英語からの外来語で、語源自体はアフリカのガーナ地域が発祥のようですが、もうちょっと詳しくみていく必要がありそうですね。
では、意外に知られていない「オクラ」の歴史をさらに掘り下げていきましょう!
オクラの由来は「英語:Okra」
私たちが呼び名にしている「オクラ」の由来は英語の「Okra」であることがわかりました。
そして英語「Okra」は西アフリカ・ガーナ地域のトウィ語「nkuruma(ンクラマ)」を語源とするそうです。
「オクラ」の原産地はガーナでなくアフリカ北東部とされてきましたが、野生種がアフリカに存在しないことで、それが多くみられるインド北部が原産地ではないかと言われるようになってきました。
仮にインド原産地説が正しいのであれば、オクラはインドからアフリカへ渡り、ガーナで名付けられ、アメリカを経由して日本へやってきたことになります。
「Okra」の発音をチェック
アメリカ英語:「オ」と「ク」の間に小さい「ゥ」を入れる感じで「オゥクラ」と発音
イギリス英語:日本語と同じ「オクラ」と発音するが「オ」に少しアクセントを加える
日本に伝わったのは江戸幕末期
「オクラ」はいつ日本にやってきたのでしょう。
江戸時代の幕末期、アメリカを経由し日本へ伝わったのが最初であるとされています。
しかし、そのヌメリと青臭さが、当時の日本人に受け入れられず普及はしませんでした。
戦後、品種改良された「オクラ」がアメリカ軍によってふたたび日本に伝わってきます。
軍は戦後弱り切った日本の食糧難対策の一つとして、オクラの栽培も指示しました。
それも相まって国内で広く栽培されるようになり、1970年代頃になると、徐々に一般家庭の食卓にまで並ぶほど普及していったのです。
それが今となっては、多くの日本人に愛される食材となり、いつの間にやら名前までも日本語であるかのように認知されるようになりました。
日本語での2通りの呼ばれ方
日本でおなじみの「オクラ」ですが、ほかに2通りの呼ばれ方があるのはご存じでしょうか。
- アメリカネリ
- 陸蓮根:おかれんこん / 秋葵:オクラ
以下に詳しく解説しますので、確認していきましょう!
①「アメリカネリ」
「オクラ」はトロロアオイと言われる植物の一種で、日本にはじめて伝わった頃は「アメリカネリ」と呼ばれました。
和紙作りなどで使用するトロロアオイから抽出された粘液を昔は「のり」でなく、「ネリ(糊)」と言ったそうです。
つまり「オクラ」は、アメリカからやってきたトロロアオイに似た植物なので「アメリカネリ」と名付けられたのでしょう。
しかし、今では「アメリカネリ」と呼ぶ人はほとんどおらず、英名の「Okra」が主流であり、まるで自分の国の言語であるかのように言葉が浸透しています。
②漢字表記「陸蓮根」「秋葵」
「オクラ」を漢字表記すると「陸蓮根」「秋葵」となります。
よくわかります。
知らない人がこの漢字を見ても十中八九読めないでしょうね。
なぜこの漢字になったのか理由を見てみましょう!
陸蓮根:おかれんこん / 別名:オクラ
「陸蓮根」は「陸の蓮根」と考えたほうが分かり易いでしょう。
オクラとレンコンの外見は違いますが、輪切りにすると断面が似た形状をしています。
レンコンは土や水の中で育つのに対し、オクラは陸より上で育つことから「陸で育つレンコン=陸蓮根」となったのです。
秋葵:オクラ
こちらの漢字は「陸蓮根」に比べ、由来はいたってシンプル。
オクラは夏野菜のイメージですが、旧暦では「秋」とされる7月~10月が旬の野菜です。
また、秋に旬を迎える「アオイ科」の植物であることも理由のひとつでしょう。
【番外編】まだある!食に関する外来語
私たちが当たり前に使う言葉でも、海外の国々と色んなつながりがあるものですね。
日本ではジャンルを問わず、たくさんの外来語であふれています。
ここで少しだけ、食に関連する外来語を紹介します。
言葉の知識は知っていると意外に役立つことがありますよ!
イクラ
イクラは日本語ではなくロシア語で、「Икра(ikra)」に由来します。
ちなみに「イクラ-」と語尾をのばして発音すると、現地でも通じるそうです。
日本でイクラとは生筋子を解し、サケやマスの魚卵の塩漬けを指しますが、ロシアで魚卵といえば、キャビアもタラコもすべて「イクラ」と判断されます。
日本で「イクラ」が広まったのは日露戦争の頃で、ロシア兵捕虜がキャビアの代わりにサケの魚卵を食べているのを見て、「イクラ」という呼び名も認知されていきました。
そのような経緯から、昭和初期まで日本でキャビアは「イクラ」として出回ったそうです。
イクラは、ロシア語の「Икра(ikra)」に由来し、
ロシア語では「魚の卵」「小さく粒々のもの」を意味する。
引用元:語源由来辞典
ポン酢
「ポン酢」の語源が、実はオランダ語なのにはビックリしました。
オランダで柑橘類の果汁全般を表す「Pons:ポンス」に由来し、「ス」に「酢」の字が当てられ「ポン酢」が誕生したようです。
「Pons」は、英語の「Punch」、つまり酒類を牛乳やお湯で割り、果汁やソーダ、砂糖などを加えたカクテルの一種「ポンチ・パンチ」から派生した言葉であると推測されます。
江戸時代にオランダから伝わった「Pons」が、いつのまにか変化しポン酢となったようで、酸味のある飲み物はすべて「Pons」と呼ばれました。
ポン酢の語源は、オランダ語で柑橘類の果汁を意味する「pons」からで、
「ポンス」が変化し「ス」に「酢」が当てられ「ポン酢」となった。
引用元:語源由来辞典
言葉はルーツを知ったほうが学びやすい
ここでもう一度、この記事のポイントをまとめておきます。
- オクラの名前の由来は「英語:Okra」で、アフリカ・ガーナに語源をもつ
- 原産地はアフリカ北東部、もしくはインド北部で2つの説がある
- 日本に伝わったとき「アメリカネリ」と呼ばれていた
- 「陸蓮根」「秋葵」2種類の漢字表記がある
言葉の由来や語源、ルーツを知ることは単に知識を得るだけではありません。
そこには驚きや探究心も芽生え、学ぶことへの意欲を向上させてくれます。
言葉の意味が気になったときは、ぜひ、由来や語源もチェックしてみましょう!