日本人の誰もが知っていると言ってもいい庶民的おやつ、ほっくり&カリッとおいしい大学芋ですが、
- 大学芋の【大学】って何?
- 大学芋があるなら高校芋や中学芋もある?
このような疑問を抱いたことはありませんか。
「大学」と付く理由や由来を知らなくても困りはしませんが、ちょっとした疑問でも解決できればスッキリしますよね。
そこで、大学芋の名前の由来について徹底リサーチしました。
大学芋の意外な歴史もわかる記事になっていますので、どうぞ気楽にお読みください。
大学芋とは?
具材はほぼサツマイモひとつで作られてシンプルに思える大学芋。その反面、味わいは複雑で豊かです。
油で揚げた香ばしさと外側のカリカリ食感、中のホンワリ食感、そしてやみつきになる蜜とサツマイモの甘み!
多くの日本人を虜にするこの料理は、どこで生まれたのでしょう?
大学芋の起源は中華料理
アツアツ台湾デザート!
拔絲地瓜☺️☺️☺️ pic.twitter.com/QqmcwXVrIS— くよん (@94_kuyon) October 12, 2016
大学芋の起源は、中華料理の「バースゥバイシュー」だと言われています。
地域によっては「バースゥホンシュ―」や「バースゥディーグヮー」とも呼ばれます。
「バースゥ」とは、中華料理で食材を油で揚げて飴がけした料理のことです。
本場の中華料理では、糸が引くほどしっかり、かつ高い技術で砂糖を煮詰め、飴を仕上げます。
日本の「大学芋」は、そこまで飴のクオリティは高くありませんが、これを模倣して作られたようです。
また、黒ゴマは元祖のバースゥバイシューにはなく、日本のオリジナルです。
ちなみに中華料理においては、小芋やバナナ、イチゴ、メロンなど飴がけのバリエーションが豊富で、これらは料理の一品として食卓に上ります。
大学芋の【大学】の由来とは?3つの有力説を紹介
それでは、中華料理だったサツマイモ料理が「大学芋」と名付けられた経緯とはどのようなものなのでしょう?
名前の由来に関しては、複数の説がありますが、ここでは3つにまとめました。
- 大学のそばの店で売られ始めた
- 大学生がプロデュースした
- 大学生から人気に火がついた
いずれも共通して実際の大学・大学生が関わっていたようです。
どこの大学でしょうか。1つずつ見ていきましょう。
「大学のそばの店で売られ始めた」説
大学芋の名前のきっかけとなった大学、それは日本の大学の最高峰、東京大学です。
発祥は大正時代。東京大学の赤門前にあった三河屋という芋屋が蜜を絡めた芋の販売を始めたところ、そのおいしさが学生の間で広まりました。
多くの大学生にウケたところから、「大学」という語が名前に付けられたようです。
「大学生がプロデュース」説
大正時代から昭和初期にかけて、東京大学の学生が蜜を絡めた芋を考案し、販売したという説があります。
経済的な余裕のない学生が学費を稼ぐための手段として始めた商売でした。
材料にするサツマイモや砂糖が安価で入手しやすかったという理由もあるそうです。
大学生が作ったから「大学芋」。シンプルで納得の呼び名ですね。
「大学生から人気に火がついた」説
こちらもやはり大正時代のこと。東京神田の学生街で、大学生が好んで食べたのが発祥だという説です。
明治~大正の時代は、商品名に「大学」と付けるという流行りがありました。
当時大学に行く人は少なく、大学への憧れがあったため、大学生の間での人気にあやかって名付けたとも考えられています。
「大学芋」があれば「中学芋」もある?
冗談のようですが、真面目に「中学芋」もあります。
違いはズバリ、大きさ!それだけです。材料も作り方も同じです。
大学芋は一口大程度の乱切りにされますが、中学芋はそれより小さく、また正方形に切られたかわいいサイズになっています。
大きさの比較から、シャレで名付けられたのですね。
油少なめ!ヘルシーな大学芋レシピ
大学芋を作るには、まずサツマイモを油で揚げるところからですが、自分で作るならこの揚げる工程を省き、油をグッと減らして手軽な方法で、かつヘルシーに作れます。
作り方を紹介します。
〈材料〉
<サツマイモ>300グラム程度のもの1本
<砂糖>大さじ4
<油>大さじ2
<醤油>小さじ1
<酢>小さじ1/2
〈作り方〉
- サツマイモはひと口大(2~3㎝)に切り、耐熱容器に入れてレンジに約3分加熱します。
- フライパンにサツマイモとその他の材料を全て入れ、フタをして弱火にかけます。
- 途中ひっくり返しながら5~6分加熱します。
- サツマイモの表面に焼き色がついてきたら火を強めにし、10~20秒フライパンをゆすって飴を絡めたら完成です。
まとめ:大学芋の【大学】は東京大学からの【大学】だった
以上、「大学芋の【大学】ってどういう意味なの?実はこの大学の事だったのです」について紹介してきました。
一番有力な説は、東京大学前の芋屋、三河屋から広まった説ですが、それ以外の説も大学生が関わっており、しかもどれも舞台は東京でした。
このように見ると、比較的狭い学生街エリアが発祥だったようです。
大学芋の起源は中華料理で、サツマイモに高技術で仕上げる飴を絡めたものでした。その後、日本では様々なアレンジが加えられ、家庭でも手軽に作られる一品となりました。
庶民的なイメージの大学芋ですが意外な歴史があったのですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。