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「あがり」とは?あがり花の略で遊郭で使われていた言葉

お寿司屋さんや料理屋で、お茶を「あがり」と呼んでるのを耳にした人も多いのではないでしょうか?

なぜお茶を「あがり」と呼ぶのかわかりませんよね。

お茶をなぜ「あがり」と呼ぶんだろう
いつの時代から呼ぶようになったんだろう
そもそも「あがり」と言ったのはなぜだろう

このようにいろいろな疑問が出てきますよね!

この記事では、「あがり」の意味や由来を詳しく解説していきます。

最後まで読んでいただければ「あがり」がなんなのかが理解できて、次にお寿司屋さんに行ったときについ嬉しい気持ちになれますよ!

◇10秒で確認!「あがり」の早見表

読み方 あがり
意味 寿司屋などの料理屋で、煎じたばかりのお茶。出花。一般的なお茶。
由来 上がり花(あがりばな)の略で、元は花柳界の遊郭の言葉。

「あがり」の意味

「あがり」とは、寿司屋などの料理屋で出される「煎じたばかりのお茶」を指す言葉で、一般的に言うお茶や出花と言った意味です。

「あがり」は、寿司屋で食後に出されるお茶で、玉露・抹茶をブレンドした粉茶が出されます。

元々はお座敷遊びの隠語で、「最後」を意味する「あがり」がもとになったものです。

今来たばかりのお客様に出すお茶は「おでばな」、帰りの客に出すお茶を「あがり」と呼ぶのが正しいとされています。

「あがり」の語源と由来

寿司屋で「あがり」とは、お茶を指す言葉です。

「あがり」の語源は元々は江戸時代の遊郭(花柳界)で使われる言葉で「上がり花(あがりばな)」の略。

お客様の付かない芸者や遊女の時間が余ってる暇な状態を「お茶を挽く」と言いますが、この由来は、お客のない時に芸者たちが茶臼でお茶を挽く仕事をさせられたことからきています

このため花柳界では、「お茶」を縁起が悪いとしてこの言葉を使わず、替わりに縁起を担いで、「上がり花」と呼んでいたのです。

それが転じて「あがり」になったと言われていますが、由来には諸説あります。

あがり花の「花」は「最初」。「出たばかり」の意味で「出端」と「花」を掛けた「出花(でばな)」と同様となります。

客が帰る前に出されるお茶を「あがり花」と呼ばれていました。

一方、花柳界で食事の始めに出されるお茶は、「でばな」と呼んでいます。

そのため寿司をいただく前に出されるお茶も「でばな」と呼ぶべきなのですが、現在は、どのタイミングで出されるお茶も「あがり」と呼んでしまっています。

もともと職人の間だけで使われる隠語を、客側が聞こえるままに真似して、間違った使い方が定着していったのが寿司屋での「あがり」の歴史です。

お寿司屋さんで使われている隠語や言葉

隠語って?何の事かわかります?
なぜ隠語を使うの

「隠語」を辞書で調べてみました。

「隠語」とは、特定の社会・集団内でだけ通用する特殊な語。

「たたき(強盗)」「さつ(警察)」「もく(タバコ)」の類。

引用:weblio国語辞典

 

隠語は江戸前の粋から生まれた寿司屋の文化

ギョク、アガリ…お寿司屋さんならではの隠語はけっこうあります。

職人同士の会話を素人が聞いたらチンプンカンプンです。

なぜ寿司屋にはこんなにも隠語が多いのか徹底調査してみました。

隠語が多い理由

①お客さんと寿司職人さんの距離が近いため

寿司屋の中ではネタの鮮度を問うなど、あまりお客さんに聞かれたくない業務連絡も多々あります。

カウンター越しに至近距離で接客をする寿司屋では職人同士のやり取りが筒抜けになってしまうため、隠語で内容がわからないように工夫しております。

②江戸前の粋と連帯感を表現するため

江戸時代は言葉遊びが流行っており、粋な江戸っ子たちは新しい言葉を発明するのが得意だったのです。

例えば酢飯をシャリと呼ぶのは、米粒の形を観音様の喉仏に例える説もあります。

このように他の人にわからないような「業界用語」がかっこよく聞こえるのは、きっと今の時代も同じです。

また、狭い江戸の中で、連帯感を持って暮らしていた人々は自分たちだけの間で通じる言葉で結束を高めていたのではないかとも言われております。

お寿司さんの隠語のいろいろ

あがり 温かいお茶
シャリ お寿司の酢飯
ネタ お寿司の具材
アニキ 鮮度の落ちたネタ ⇔ (おとうと→鮮度の良いネタ)
玉(ギョク) 卵焼き、お寿司のタマゴではない
ゲタ カウンターで板前さんがお寿司を出すときに置く板
ツメ 穴子やシャコにつける甘めのタレ
なみだ ワサビ  (涙巻き)
ムラサキ お醤油 (みりんやダシが入っている)
ヤマ 品切れになったネタ

 

 

「あがり」のまとめ

以上、この記事では「あがり」について解説してみました。

読み方  あがり
意味  寿司屋などの料理屋で、煎じたばかりのお茶。出花。一般的なお茶。
由来  上がり花(あがりばな)の略で、元は花柳界の遊郭の言葉。

「あがり」はお寿司屋さんのような料理屋によく使用される言葉です。

「あがり」は職人が仲居さんに伝えるための隠語ですので、お寿司屋さんに行った時は、「お茶をください」がシンプルで好感が持てるいい方です。

いろいろな隠語を知れば、お寿司屋さんでの楽しみが、また一つ増えますよ!

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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