言葉の意味由来

「am」と「pm」の正しい使い方!午前と午後を表す記号のルーツに迫る!

午前や午後を表す時、「am」や「pm」という記号(文字)を使うことがよくありますよね。

元々は英語圏で用いられているものであるため、日本人は使い方を間違えやすいといわれています。

この記事では、「am」と「pm」の正しい使い方を解説するとともに、そのルーツについても詳しく調査をしました。

ぜひ、最後までお読みください。

「am」と「pm」の正しい使い方を解説

「am」や「pm」を用いる際、「AM10:00」や「PM5:30」のように、時間の前にam/pmをつけていませんか?

実はこれ、英語の表現としては誤った使い方なのです。

am/pmを用いる場合は、「10:00 AM」や「5:30 PM」のように、時間の後ろにam/pmをつけるのが正しい使い方です。

また、時間とam/pmの間には必ず半角を入れましょう

am/pmの表記ですが、下記いずれを用いても問題ありません。

  • 全て小文字の「am」「pm」
  • 全て大文字の「AM」「PM」
  • 「.(ピリオド)」を用いた「a.m.(またはA.M.)」「p.m.(またはP.M.)」

一番のポイントは、【時間の後ろにつける】という事です。

次に、am/pmが示す時間の範囲ですが、am/pmは24時間を午前と午後に2分割して表すものとなります。

よって、amは深夜00:00から昼11:59まで、pmは昼12:00から深夜23:59までを表す際に用います。

また、1日=24時間を12時間ずつに2分割した表示方法ですので、「19:20 pm」のように時間を24時間形式で表記するのは誤りですね。

この場合、正しくは「7:20 pm」ですので注意しましょう。

午前と午後を表す「am」と「pm」のルーツ

「am」と「pm」という文字のルーツは一体どこにあるのでしょう。英語圏で使用されているものですので、英単語の略語でしょうか。

英語で午前と午後を表現すると、それぞれ「before noon」と「after noon」。

単語の頭文字を取っても「am」や「pm」にはなりません。

実は「am」と「pm」はどちらも、ラテン語の略語なのです。

ルーツはラテン語の略語

午前と午後をラテン語では、以下のように記します。

午前=ante meridiem
午後=post meridiem

ラテン語で「meridiem」は「正午」、「ante」は「~の前」、「post」は「~の後」を意味します。

これらの言葉を組み合わせて出来た言葉が「ante meridiem」と「post meridiem」。

各単語の頭文字を取ると、「am」と「pmになりますね。

ラテン語は古代ローマ時代の言語で、現在の英語の成り立ちにも影響を与えた言語です。

「ante meridiem」と「post meridiem」は英語に取り入れられて次第に省略された結果、「am」と「pm」になった、とされています。

その証しに、「a.m.」や「p.m.」と「.(ピリオド)」を用いて表すことがありますが、英語で「.(ピリオド)」は省略を意味します。

例えば、アメリカの国名を表す「U.S.A.」は、「United States of America」という正式な国名を略語で表したもの。

同様に、「a.m.」と「p.m.」は、「ante meridiem」と「post meridiem」の「略語」を意味しているのですね。

ラテン語の歴史

ラテン語は、現在ではカトリック教徒の総本山であるバチカン市国のみが公用語としており、その他では使われることがない古来語です。

ではなぜ、古来語であるラテン語の略語が今でも使われているのでしょうか。

そこにはラテン語の歴史が関連しています。
簡単にその歴史を振り返ってみましょう。

ラテン語は古代ローマ人の言語で、古代ローマ帝国(~5世紀)の公用語でした。

古代ローマ時代以降の中世(5~15世紀)では、キリスト教を勉強するうえで重要な「神学」の用語とされます。

特に中世ヨーロッパでは、学術用語として広く学ばれました。

つまり、中世のリスト教世界においてラテン語は、『国際的な共用語』という、非常に重要な言語だったのですね。

1453年のローマ帝国滅亡後、ラテン語は次第に実社会で使われなくなりますが、他の言語へと派生していきます。

イタリア語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語はラテン語を母体として成り立った言語。

ドイツ語や英語なども、ラテン語の影響を受けているのです。

その他、歴史・学術・医学など、今もラテン語の影響が残るものは多く、ラテン語を学校の学習項目としている国が現在でも多数あります。

このように、ラテン語は現代の歴史文化に多大な影響を残しており、私たちの日常生活に今も息づいているのですね。

他にもある!ラテン語由来の略語一覧

実は、「am」や「pm」以外にも、ラテン語を由来とする略語は私たちの生活に多数存在します。

中でも日常でよく使われている略語を一覧にまとめましたので、是非参考にしてくださいね。

これもそうなの!?というものがきっとありますよ。

使われている
略語
意味 由来となったラテン語
と成り立ち
No. 番号 【Numero】
番号を表す「Numero」の頭の「N」と語尾の「o」を取り、省略の意味のピリオドをつけたもの
p.s. 追伸 【Postscriptum】
「~の後」を意味する「post」と「書かれた」を意味する「scriptum」を合わせた言葉の頭文字をとった略語
「Postscriptum」はのちに英語で「postscript(あとがき)」となる
vs. ~対~ 【versus】
「向きをかえられた」という意味をもつ「versus」を略したもの
英語の中で派生するうちに「~対~」という意味になった
e.t.c. その他
~など
【et cetera】
「それと他のものたち」という意味の言葉を略したもの
A.D. 紀元後 【Anno Domini】
「Anno」は「年」、「Domini」は「主」を表す言葉で、それぞれの頭文字を取り略したもの
主とはキリストを指すことから「キリストの年(キリストが生まれた年)」を起点として西暦で年を表す際に用いる
i.e. すなわち
言い換えれば
【id est】
「それ」という指示代名詞の「id」にbe動詞にあたる「est」が付いた言葉の略語

ルーツを知って楽しく学ぼう

以上、この記事では「am」と「pm」の正しい使い方と、言葉のルーツについてお伝えしました。

使い方を間違えていた!という方は、今日から「am」や「pm」を正しく使ってくださいね。

また、日常のちょっとした疑問を探ると、ルーツをたどる旅へとなり、更には別の物事の真理を知るきっかけにもなっていきます。

是非、様々なルーツを知りながら楽しく学び、自己の知見を更に広めていってくださいね。

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