「試合」「仕合」は、どちらも「互いに競い合い優劣を争う」の意味ですが、以下のような違いがあります。
- ある分野において、他者と技を競い合い優劣を決める
- 相手に対し、お互いが同じようなことを仕掛ける
このページでは「試合」「仕合」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。
「試合」と「仕合」の意味と例文
まず、「試合」「仕合」の辞書での意味を確認しておきましょう。
【試合】
スポーツ・武術などの技を比べ合い勝敗を競うこと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
引用:weblio国語辞典
【仕合】
互いに相手方に対して、同じようなことをしかけること。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
引用:weblio国語辞典
なんとなく違いはわかりますが、辞書の内容だけでは適切に使い分けをするのは難しいですよね。
以下でより詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。
「試合」の意味と例文
試合の「試」の字は「言う」と、やり方・決まりの意味を持つ「式」で構成されています。
決まりに従ってためす意味です。
「合」の意味は対抗させる・戦わせるとなります。
よって互いの能力を決まりに従って試す、が試合の意味になります。
例文を見てみましょう。
- 週末にはバスケットボールの試合がある。
- 練習試合でも全力を尽くそう。
どちらもその競技のルールに従って競い合う状態です。
このようにスポーツや競技に使用されるのが「試合」です。
「仕合」の意味と例文
一方、「仕合」はどうでしょうか。
「仕合」は「試合」とは異なり、特に勝負の競い合いを指す言葉ではありません。
「仕」の字は「する(為る)」の連用形の当て字で、する・おこなう意味があります。
「合」の意味はこの場合、合わせるであり、対抗させる意味はありません。
つまり「仕合」の意味は、互いにし合うとなるのです。
こちらも例文を見てみましょう。
- 遺産相続の話し合いがもつれ、兄弟同士で泥仕合となっている。
- お互いの選手のラフプレーが続き、泥仕合となった。
「兄弟同士で泥仕合になっている」は互いに罵りあったり、譲らなかったりするような状態です。
「お互いの選手のラフプレーが続き泥仕合になった」は試合中に互いが同じような反則をしたり、乱闘騒ぎになったりした状態です。
どちらの例文も、双方が同じようにやりあっています。
このように互いが同じように仕掛け合っているのが、「仕合」です。
「仕合」は現代では泥仕合、闇試合、御前仕合のように限られた言葉に使用され、頻度の少ないのがポイントです。
「試合」と「仕合」の違いまとめ
以上「試合」と「仕合」の違いと正しい使い分けが、おわかりいただけましたでしょうか。
最後にもう一度、使い分けのポイントをお伝えします。
- ある分野において、他者と技を競い合い優劣を決める
- 相手に対し、お互いが同じようなことを仕掛ける
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方をマスターしましょう。