確かにトレンドカラーの発信元って聞きませんよね。
実はそれを決定しているのは、以下3つの団体や企業です。
- インターカラー:国際流行色委員会
- JAFCA:日本流行色協会
- PANTONE社
どうやって決めているのかも気になってきませんか?
この記事ではトレンドカラー決定のプロセスを徹底リサーチし、「流行色の5W1H」まで詳しく解説していきます。
ファッション業界などでお仕事されている方は、お客様への提案力アップなどスキル向上にきっと役立ちますので必見です!
5W1Hとは
「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」からなる情報伝達に必要な要素を示した言葉です。
ポイントを押さえて伝える能力を身に付けると、ビジネスにもきっと役立ちますよ。
トレンドカラーは誰が決めるのか2ステップで解説
トレンドカラーと聞くと、一流ブランドが起点となり決定しているイメージがありませんか?
実際はそうでなく、色彩情報の専門機関がシーズン毎の流行色を正式に決定しているのです。
ここからはトレンドカラー決定までの詳細について、2つのステップで解説していきます。
- 「インターカラー」で国際的な流行色を決定
- 「JAFCA」で日本の流行色を決定
ステップ①:インターカラーで国際的な流行色を決定
国際的なトレンドカラーは「インターカラー:国際流行色委員会」で決定されます。
流行色の選考にあたり、社会情勢や市場の動向、世界を象徴する色、ニーズが高まりそうな色などを先取りし、それを「色」として世界へ提案していくのです。
ではインターカラーについて
- 【インターカラー】国際流行色委員会とは
- 国際的なトレンドカラーは2年前に決定!
で詳しく見ていきましょう!
【インターカラー】国際流行色委員会とは
1963年にフランス・スイス・日本を主導に発足され、2021年時点で17の加盟国があります。
日本の加盟代表団体は「JAFCA:日本流行色協会」です。
インターカラーは世界で共有する色彩情報のリサーチや開発の場となる重要な役割を担っており、流行色の傾向を大きく左右する機関と言えます。
インターカラー加盟国
- アメリカ / フランス / イギリス / イタリア / スペイン / ハンガリー
- フィンランド / デンマーク / ドイツ / ポルトガル / スイス / トルコ
- 日本 / 中国 / 韓国 / タイ / インドネシア
※2021年12月時点
国際的なトレンドカラーは2年前に決定!
インターカラーの活動概要は以下のとおりです。
- 年に2回、6月に「2年後」の春夏シーズンの流行色、12月に「2年後」の秋冬シーズンの流行色を選定
- トレンドカラー選定のため加盟国の代表者が出席し、各々が事前に選び抜いた色をプレゼンし合い、協議のもと2年後のトレンドカラーを決定
- トレンドカラーは1色ではなく、毎年約500色の中から20~30色が選ばれる
- ファッション業界に限らず、多彩な分野の流行色の設定をおこなう
「2年後」の選定に驚かれた方もいらっしゃると思いますが、そこには明確な理由があります。
洋服をはじめ、市場に出回るあらゆるアイテムは多くの時間や手間を要し商品化されます。そのプロセスを考慮すれば2年後は妥当と言えるでしょう。
インターカラー:流行色の5W1H
- 【When:いつ】シーズンの2年前に
- 【Where:どこで】フランス・パリにある国際流行色委員会で
- 【Who:誰が】17加盟国の代表専門家たちが
- 【What:何を】その年のシーズンのトレンドカラーを
- 【Why:なぜ】世界で共有し商業や文化の発展、促進を図るために
- 【How:どのように】各代表が持ち寄った提案や協議で決定する
ステップ②:JAFCAで日本の流行色を決定
インターカラーが国際流行色なら、「JAFCA:日本流行色協会」は日本の流行色です。
インターカラーの「色のみ設定」とは異なり、各シーズンにテーマが設けられ、そのテーマをもとに「レディース」「メンズ」「プロダクツ」「メイク」などカテゴリー別に発表するなど、何とも日本人らしい心遣いが感じられます。
では、JAFCAについても
- 【JAFCA】日本流行色協会とは
- 日本のトレンドカラーは1年半前に決定!
で詳しく見ていきましょう!
【JAFCA】日本流行色協会とは
日本流行色協会の設立は1953年でインターカラーより歴史は古く、日本のカラーデザイン向上や豊かな色彩生活を目指した活動を行っています。
JAFCAはインターカラーに日本代表として出席し、選定された流行色や情報をもとに、日本独自のトレンドカラーを発信しているのです。
国内メーカーのなかには、インターカラーやJAFCAの会員となり情報をいち早く入手し、商品化の早期着手に利用する企業もあるようです。
日本のトレンドカラーは1年半前に決定!
JAFCAはインターカラーの決定情報をもとに選定するため、半年遅れの発表となります。
インターカラーの情報を持ち帰り、それをベースに国内の社会情勢や未来予測を入念に協議し、1年半後のトレンドカラーを決定するのです。
JAFCA:流行色の5W1H
- 【When:いつ】その年の1年半前に
- 【Where:どこで】日本流行色協会で
- 【Who:誰が】協会に加盟する各分野の専門委員が
- 【What:何を】その年のトレンドカラーを
- 【Why:なぜ】国内市場の発展や活性化を図るために
- 【How:どのように】インターカラーの情報をもとに、国内動向を精査し決定する
PANTONE社で独自の流行色を発信
インターカラーとは別に、独自のトレンドカラーを発信する企業があります。
それは「PANTONE社」で、アメリカに本社をおく「色見本」を製作している会社です。
「PANTONE社」は毎年12月に「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」と題し、翌年のトレンドカラーを発表します。
この企画は2000年にスタートし、世界の人々が求めるカラーを表現することで社会に貢献できることを目的に発足されました。
正確なトレンド分析力と色彩情報を持ち合わせることでファッション業界に留まらず、デザインやインテリア、スポーツ業界など、様々な分野の企業から注目されています。
今や世界のトレンドカラーに大きな影響を与える企業と言ってもよいでしょう。
トレンドカラー=必ず流行ではない
トレンドカラーについて要点をまとめます。
- トレンドカラーは専門の団体や企業が選定して決める
- インターカラーは2年後の流行色を決める
- JAFCAは1年半後の流行色を決める
- PANTONE社は毎年12月に翌年の流行色を決める
トレンドカラー選定を専門家が行っているといっても予測の側面があり、2年の時を経て消費者がどう反応するかは未知数です。
よって必ずしも流行するとは限りません。
しかし、トレンドカラーに込められた意味や情報を知るだけで、世の中のあらゆるモノの映り方はきっと変わり、時に大きなスキルとなるでしょう。