「抑揚」「強弱」は、どちらも「話に変化をつける」の意味ですが、以下のような違いがあります。
- 抑揚|話すときの音声や文章などで、調子を上げたり下げたりすること
- 強弱|強いこと弱いこと
このページでは「抑揚」「強弱」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。
「抑揚」と「強弱」の意味と例文
まず、「抑揚」「強弱」の辞書での意味を見ておきましょう。
【抑揚】
話すときの音声や文章などで、調子を上げたり下げたりすること。イントネーション。
「抑揚をつけて話す」「抑揚のある文章」
引用:weblio国語辞典
【強弱】
強いこと弱いこと。またその程度。
「言葉に強弱をつける」
引用:weblio国語辞典
なんとなく違いはわかりますが、辞書の内容だけでは中々使い分けをするのは難しいですよね。
以下でより詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。
「抑揚」の意味と例文
「抑揚」は、それぞれの漢字の意味を見てみると「抑える+揚げる」です。
話し全体に変化を持たせることで、主に「話すスピード」や「強弱」、そして「間」など複数の要素から判断されます。
話しの中に、これらの要素が含まれていれば「抑揚がある」、そうでなければ「抑揚がない」ということになります。
例文を見てみましょう。
- 彼のスピーチは感情表現が豊かで、抑揚がある
- 漫才のネタがまるでジェットコースターのようで、抑揚がすごい
どちらの例文も、話し全体の変化が基準となっていますね。
話しの背景に感情を乗せたり、話すテンポを上げ下げしている場合には「抑揚」を使うと良いでしょう。
「強弱」の意味と例文
一方、「強弱」はどうでしょうか。
それぞれの漢字を組み合わせると「強い+弱い」です。
話しの中の部分的な言葉にメリハリをつけることで、「強い」か「弱い」かの2択で判断されます。
言葉の中に強い、もしくは弱い部分があれば「強弱がある」となり、ない場合は「強弱がない」と覚えましょう。
こちらも例文を見てみましょう。
- 重要な部分は大きな声で話すなど、強弱をつける
- 不安な気持ちを表現するときは少し声を小さくするなど、強弱をつけるべきです
どちらの例文も、部分的な言葉のメリハリが基準となっています。
話しの中の部分的な言葉に強いところ、もしくは弱いところがあれば「強弱」を使います。
また、「強弱」は「抑揚」をつけるときの要素のひとつ、と覚えていただくとイメージしやすいのではないでしょうか。
「抑揚」と「強弱」の違いまとめ
以上「抑揚」と「強弱」の違いと正しい使い分けが、おわかりいただけましたでしょうか。
最後にもう一度、使い分けのポイントをお伝えします。
- 抑揚
話すときの音声や文章などで、調子を上げたり下げたりすること
話し全体に対し、「スピード」や「強弱」、そして「間」など複数の要素で判断される - 強弱
強いこと弱いこと。またその程程度
部分的な言葉に対し、「強い」もしくは「弱い」の2択で判断される
話しに「抑揚」をつけるときの要素のひとつ
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方をマスターしましょう。