言葉の意味由来

「風景」と「光景」の違いは?例文から分かりやすく解説!

「風景」「光景」は、どちらも「目の前に広がっている眺め」の意味ですが、以下のような違いがあります。

  • 「風景」は、目の前にうつる広範囲の自然・人・街並みの様子
  • 「光景」は、目の前に広がる具体的なありさま

このページでは「風景」「光景」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

「風景」と「光景」の意味と例文

まず、「風景」「光景」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【風景】
目に映る広い範囲の眺め
ある場面の情景・ありさま

引用:weblio国語辞典

【光景】
目前に広がる景色・眺め
ある場面の具体的なありさま・情景

引用:weblio国語辞典

どちらも似たような言葉で、辞書の内容だけでは中々使い分けをするのは難しいですよね。

以下でより詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。

 

「風景」の意味と例文

「風景」は、目にうつる広い範囲の自然や人・街並みの様子を意味します。

自然とは、山・海・川・草木・雨などを表し、光や風で感じる心地のよいもの。

「風景」には自然だけではなく人や街並みも含まれ、良い意味でのニュアンスが強い言葉です。

例文を見てみましょう。

  • 電車を降りると、レトロな建物が違和感なく風景に溶け込んでいた
  • 喫茶店の窓から静かに雨の風景を眺めていた

どちらも心地よさや癒しを感じ、鑑賞の対象としてイメージされたのではないでしょうか。

また、ニュースで「今朝の通勤・通学風景」と伝えられているのを耳にした方も多いと思います。

「風景」には人も含まれますので、このような伝え方でも表現されています。

「光景」の意味と例文

一方、「光景」はどうでしょうか。

「光景」は、目の前に広がる景色・眺めに加え、ある場面に対しての具体的なありさまを表す言葉です。

「風景」が良い意味でのニュアンスが強い言葉であるのに対し、「光景は」悲惨な状況も表現されます。

こちらも例文を見てみましょう。

  • その美しい光景は、私の心に永遠に焼きついた
  • 彼は、その恐ろしい光景から目をそらし、後ずさりした

心が揺さぶられる美しさを表現している一方、目を覆いたくなるようなありさまも「光景」です。

眺めて観賞するのではなく、見たまま・見えたままの様子を表し、必ずしも良いとは言えない場面でも使われます。

「風景」と「光景」の違いと例文

このように「風景」と「光景」は、その時の感情や対象物によって使う場面が違ってきます。

風景 目を楽しませるものとして、観賞の対象に好ましさを感じる場面
光景 良くも悪くも、見たまま・見えたままのありさまを伝える場面

違いを詳しく見てみましょう。

 

お寺の境内から見た風景がとてもキレイで印象に残っているよ!
まさに、息をのむほど美しい日本の光景だったわ

 

心が動いた状況をどちらもうまく表現しています。

では次の例文はどうでしょうか。

 

今朝見かけた不快な風景が頭から離れない
ゾッとする風景だったわね

 

このような場面では「風景」は使いません。

2人が見たものは心地よい自然や人の眺めではなく、決して良いとは言えない見たままのありさまです。

 

ペンライトで埋めつくされた会場は、一生忘れられない光景です
見る価値のある光景だったわ

 

こちらの例文は、見たままの美しい場面を表す言葉としてぴったりです。

このように、目の前の眺めに対してどう感じ、対象物が何かをしっかりと理解して使いわける必要があります。

「風景」と「光景」の類語

「風景」と「光景」には、たくさんの類語があります。

どれも少しのニュアンスの違いですが、正しく違いを知っていれば自分の考えや気持ちが正確に相手に伝わります

日常でよく使われているものをご紹介しますので、違いを見ながら参考にしてください。

それでは見ていきましょう!

「景色」

「風景」の眺める対象は自然や人・街並みですが、「景色」は山・海・川・草木などの自然の眺めが対象です。

「風景」と「景色」は似ており、眺める対象が自然の場合はどちらも使えますが、あくまでも「景色」は自然界の眺めが主役!

とてもシンプルな意味ですね。

春夏秋冬と日本は四季によって「景色」の美しさが変わり、人々を魅了し続けます。

山の頂から眺める絶景、真っ赤な紅葉やピンク色の桜、蛍が集う川、どれも心を揺さぶる美しい「景色」です。

「眺望」

「眺望」とは、自ら高いところに上り、遠くまで広く見渡す眺めです。

この眺めは、自然・人・街並みだけではなく、車や電車・船・橋など、視界に入るすべてのものが対象です。

高い山や展望台に登り、「眺望」を楽しんだ経験がある方も多いのではないでしょうか。

ミニチュア模型に見える街並みや、キラキラした宝石箱のような夜景など、昼と夜の違いを楽しめるのも「眺望」の魅力です。

「情景」

「風景」や「光景」のように視覚から入るものではなく、自分の心に強く残っている光景や場面を「情景」と言います。

漢字の通り「情」は人間の心、気持ちであり、「景」は見渡されるありさま。

良い光景も悪い光景も自分の心に強く残っていればそれが「情景」です。

例えば、過去の出来事のフラッシュバックは「あの時の情景が浮かんだ」と表現。

過去とよく似た場面が思い浮かべられる場合には「あの時の情景を彷彿させる」となります。

小説や映画でも「情景描写」が使われ、その場面の状況や登場人物の気持ちを細かく設定して物語に臨場感を持たせています。

「風景」と「光景」の違いまとめ

以上「風景」と「光景」の違いと正しい使い分けが、おわかりいただけましたでしょうか。

最後にもう一度、使い分けのポイントをお伝えします。

  • 「風景」は、目の前にうつる広範囲の自然・人・街並みの様子
  • 「光景」は、目の前に広がる具体的なありさま

ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方をマスターしましょう。

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