- 「○○醤(ジャン)と名前が似ているけど、どう違うの?」
- 「自宅に常備していないけど、他の調味料で代用できる?」
- 「麻婆豆腐やビビンパ以外に、どんな料理に使えるの?」
このような疑問にお答えします。
中華料理や韓国料理には欠かせない調味料、豆板醤・甜麺醤・コチジャン。
日本食で育った我々にとって耳にしたことはあっても、馴染みが薄いものではないでしょうか?
そこでこの記事では、それぞれの違いや特徴を徹底リサーチしました。
- 豆板醤・甜麺醤・コチジャンの味の違い
- 家庭にある調味料で、豆板醤・甜麺醤・コチジャンの代用
- 豆板醤・甜麺醤・コチジャンを使った最適レシピ
最後まで読むと、豆板醤・甜麺醤・コチジャンの基礎知識を身につけ、それぞれを使った料理を作ることができますよ。
豆板醤・甜麵醬・コチジャンの違いは?
まずは、それぞれの味の違いを見ていきましょう。
豆板醤とコチジャンはいずれも共通して「辛さ」が特徴ですが、辛さレベル:豆板醤>コチジャンとなります。
甜麺醤は「甘味」と覚え、他の2つと区別して覚えるといいですね。
簡単な覚え方は、以下の通りです。
- 豆板醤=刺激的な辛さとコク
- 甜麺醤=コクのある甘味が特徴
- コチジャン=辛い中にも甘味の味わい
それでは、詳細を一つずつ見ていきましょう。
豆板醤|刺激的な辛さとコク
豆板醤はそら豆と唐辛子を主原料に作られた中国発祥の発酵調味料で、唐辛子が多く含まれているためとても辛いが、加熱すると香りが強くなります。
本来は唐辛子を入れずに、そら豆だけで作ったものを豆板醤と呼び、唐辛子を加えた辛くしたものを豆板辣醤(トウバンラージャン)と呼びます。
これは東南アジアやインドと同様で、高温多湿な環境の中で食欲を増し、発汗作用を引き起こすことで、健康を保つことを目的としたものです。
現在では唐辛子を使った辛いものが多くみられており、それを「豆板醤」として認識されるようになりました。
豆板醤を使う代表的な料理として、回鍋肉・麻婆豆腐・担々麺などがあります。
甜麺醤|コクのある甘味が特徴
甜麺醤は小麦と塩と麹を主原料に作られた中国発祥の発酵調味料で、甘い(甜)小麦粉(麺)から作った味噌(醤)の意味です。
その甘みから「中華甘みそ」とも呼ばれ、生のまま食べることもできるので、そのままつけダレとして料理に添えて食べることも多いですね。
日本では、八丁味噌に糖類・ごま油を加えて作られることが多く、家庭でも簡単に代用ができます。
また、火を通すことにより強い香りが出るので、肉や野菜を炒める時や煮物の隠し味や、料理に独特の香りを加えるために使われています。
甜麺醤を使う代表的な料理としては、回鍋肉・北京ダック・麻婆豆腐などが有名です。
コチジャン|辛い中にも甘味のある味わい
コチジャンは唐辛子ともち米麹を主原料に作られた朝鮮半島発祥の発酵調味料です。
基本的にはもち米麹で甘みがでるのですが、特に日本では麦芽(水飴)や糖類を加えて甘みを出す製法が広く普及しており、時代や地域によって、もち米麹以外に大豆や小麦、黍(きび)なども混ぜたりと、材料や製法が多様化しています。
甘辛さが特徴で、日本ではこれを味噌の一種とみなして唐辛子味噌とも呼ばれています。
また、原音に近い「コチュジャン」と表記されることが多くありますが、同じものです。
コチジャンを使う代表的な料理として、ビビンパ・ヤンニョムチキン・スンドゥブなどがあります。
豆板醤・甜麺醤・コチジャンの代用
馴染みの無い調味料なので、常備していないことも多いかと思いますが、ご安心を!
今回はご自宅にある調味料を使った豆板醤・甜麺醤・コチジャンの代用をご紹介します。
- 豆板醤|味噌+醤油+ごま油+にんにく+一味唐辛子
- 甜麺醤|味噌+醤油+砂糖+ごま油
- コチジャン|味噌+醤油+砂糖+一味唐辛子
いずれの代用も、各調味料を以下の分量であわせていただくだけで、簡単に作れますので是非お試しください。
豆板醤|味噌+醤油+ごま油+にんにく+一味唐辛子
- しょうゆ|小さじ1
- みそ|大さじ1
- ごま油|小さじ1/2
- おろしにんにく|小さじ1/3
- 一味唐辛子|小さじ1
甜麺醤|味噌+醤油+砂糖+ごま油
- 砂糖|大さじ1/2
- しょうゆ|小さじ1/2
- 赤みそ|大さじ1
- ごま油|小さじ1/2
コチジャン|味噌+醤油+砂糖+一味唐辛子
- 砂糖|小さじ2
- しょうゆ|小さじ1
- みそ|大さじ1
- 一味唐辛子|小さじ1/3
調味料代用のポイント!八丁味噌で本場に近い味わいを
また代用の際に使われる味噌ですが、八丁味噌が良いとされています。
その理由は、大豆と塩のみで作られ、大豆から分解されて作られるアミノ酸とペプチドで旨みやコクが深い点です。
八丁味噌とは米麹や麦麹を用いず、原材料の大豆を全て麹にした豆麹で作られる豆味噌の一つです。
一般的には愛知県岡崎市八帖町で生産され、製法・原料・熟成など作り方に関して、国が定めた基準を満たした豆味噌だけが八丁味噌を名乗ることができます。
八丁味噌の名前の由来は、岡崎城から西に八丁(約870m)の距離にある八帖町(旧八丁村)から来ています。
赤味噌でも大丈夫ですが、本場に近い味を出したい方には八丁味噌がおススメです!
豆板醤・甜麺醤・コチジャンを使った最適レシピ
味の違いと代用が分かったところで、豆板醤・甜麺醤・コチジャンを使った料理を作ってみましょう。
今回ご紹介するのは、こちらの3つです。
- 豆板醤|豚とモヤシの豆板醤炒め【ご飯のおかずに最適】
- 甜麺醤|厚揚げの甜麺チーズ焼き【節約レシピに最適】
- コチジャン|コチジャンドレッシング【サラダに最適】
どれも簡単に作れて美味しいので、以下のレシピを参考に調理してみてください。
豆板醤|豚とモヤシの豆板醤炒め【ご飯のおかずに最適】
材料(4人分)
- 豚バラ|150g
- もやし|2袋
- ごま油|大さじ1
- 塩コショウ|適量
- 豆板醤|大さじ2
- 醤油|大さじ1
- 料理酒|大さじ2
- みりん|大さじ1
- 砂糖|大さじ1
簡単な作り方
- 豚バラは5㎝程度に切り、もやしはひげを取り除く
- 豆板醤・醤油・料理酒・みりん・砂糖を混ぜ合わせる
- フライパンにごま油を敷き、豚ばらを軽く火が通るまで中火で炒める
- もやしを加え少し炒めたら、塩コショウを少々入れる
- 【2】の材料を入れ更に炒め、全体に調味料が馴染んだら完成
甜麺醤|厚揚げの甜麺チーズ焼き【節約レシピに最適】
材料4人分
- 厚揚げ(絹)|4個
- 甜麺醤|適量
- ピザ用チーズ|適量
簡単な作り方
- 厚揚げは1 / 2の大きさに切る
- 厚揚げに甜麺醤を薄く塗り伸ばす
- ピザ用チーズを厚揚げ全体に乗せる
- オーブントースターで約5分焼く
- チーズがとろけ、全体にこんがりと焼き目がついていれば完成
コチジャン|コチジャンドレッシング【サラダに最適】
材料2人分
- コチジャン|大さじ1
- はちみつ|大さじ2
- 醤油|大さじ1
- 酢|大さじ1
- ごま油|大さじ1
- にんにくパウダー|小さじ1
- 白ごま|適量
簡単な作り方
- コチジャンとはちみつを混ぜ合わせる
- 醤油・酢・ごま油・にんにくパウダーを入れ、さらに混ぜ合わせる
- 白ごまをお好みで加えて完成
毎日の食卓をホットに楽しく!
ここまで豆板醤・甜面醤・コチジャンの違いについて解説しました。
献立のパターンは人それぞれですが、たまに一味違った料理を味わうのも、食卓の楽しみの一つではないでしょうか。
この記事で、今まで馴染みの無かった方にも、ぜひ一度チャレンジしていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。