「貯金箱」と聞くと、豚の形を連想する人は多いのではないでしょうか?
よく見かける形ですが、なぜ「豚」なのか気になりますよね。
そこでこの記事では、なぜ豚の貯金箱が定番なのか、そのルーツをご紹介します。
この記事でわかること
- 貯金箱の形に「豚」が使われている理由
- 豚の貯金箱が日本に上陸した歴史
こちらの記事を書くにあたり、「豚の貯金箱」に関する博物館のサイトや記事を徹底調査しました。
豚の貯金箱のルーツや、海外と日本の違いについてもまとめていますので、ぜひ最後までお読みください!
豚の貯金箱はなぜ「豚」の形なのか?
早速、なぜ貯金箱の形は「豚」が定番なのか、その理由を見ていきましょう!
兵庫県にある「世界の貯金箱博物館」へのインタビュー記事によると、貯金箱が豚の形になった理由は諸説あるとされています。
また、豚の貯金箱は14世紀のイギリスが発祥です。
当時のイギリスでは、余ったコインを教会に献金するために、赤い粘土製の壷に入れる文化がありました。
この文化が発達し、「貯金」になったといわれています。
以下では諸説ある「豚の貯金箱が作られた理由」をご紹介します。
理由①:職人が注文を聞き間違えたから
1つ目は、「職人が注文を聞き間違えた」という説。
前述の通り、イギリスでは赤い粘土製の壷にコインを入れる文化がありましたが、この赤い粘土は英語で表すと「Pygg」です。
この「Pygg」は、豚を意味する「Pig」と非常に発音が似ています。
そのため、「Pyggの貯金箱」と「Pigの貯金箱」を職人が聞き間違えてしまい、豚の形の貯金箱を作成してしまったのです。
間違えて作った豚の貯金箱ですが、試しに売り出したところ「かわいい!」と大評判。
このことから豚の貯金箱が世界中に広まったとされています。
理由②:豚には「無駄がない」から
2つ目は、「豚には無駄がないから」という説。
豚は「捨てる部分がない」と昔からいわれており、肉や皮だけではなく頭や内臓まで食べることができます。
そのため、無駄遣いとは真逆の存在と考えられていました。
この考え方から、「無駄遣いをしない」=「お金を貯められる象徴」として、貯金箱に豚の形が採用されたのです。
理由③:豚は縁起が良いから
3つ目は「豚は縁起が良い」という説。
豚は一度に10頭も子どもを産みます。
また、食べ物をよく食べ蓄える性質でもあるため、豚は古くから「子孫繁栄」「幸福」の象徴として考えられていました。
そのことから、貯金箱の形を豚にするとお金が増えると考えられ、豚の形をした貯金箱が作成されたといわれています。
日本には昭和中期に上陸
イギリスがルーツの豚の貯金箱ですが、日本にはいつ上陸したのでしょうか?
それは、昭和30~40年頃といわれています。
当時の日本では、口座を開設した人に対して銀行から豚の貯金箱がプレゼントされていました。
この頃から、日本でも貯金箱=豚の形のイメージが定着したと考えられています。
歴史のある豚の貯金箱ですが、海外と日本ではいくつか違いがあることが分かりました。
ここではその違いについてご紹介します!
海外と日本の違い①お金の取り出し方
1つ目は「お金の取り出し方」。
貯金箱といえば、お金が貯まったら割って取り出すイメージを持っている方もいるのではないでしょうか?
貯金箱が満タンになるまで割れない、もどかしさがありますよね。
世界の貯金箱博物館のサイトによると、貯金箱を割る行為は日本ならではの文化とされています。
最近は日本の貯金箱でも増えてきましたが、海外では「お金は貯金箱を開けて取り出す」という考え方が昔から主流でした。
これは、日本では「お金を貯める」という目的に対し、海外では「(教会への)献金」が本来の目的であったことが由来とされています。
そのため、いつでも取り出せる(献金できる)ように開閉式の貯金箱が作られたようです。
海外と日本の違い②硬貨の投入口
2つ目は「硬貨の投入口」。
貯金箱を想像すると、頭の後ろや背中に投入口が付いているイメージはありませんか?
実はこの形も日本特有です!
海外では、頭を真っ二つに割ったような設計の貯金箱もあります。日本では、このような形の貯金箱はまず無いといえるでしょう。
これは「日本人の優しさ」といわれており、なるべく頭を割ることを避けた設計にしているとされています。
【まとめ】コツコツ貯金しよう!
豚の貯金箱は歴史が古く、作成された理由も諸説あることがわかりました。
- 職人が注文を聞き間違えた説
- 豚には無駄がないと考えられている説
- 豚が縁起の良い動物と考えられている説
最近は豚以外にも、ユニークな形の貯金箱は増えていますよね。
現代はATMでの貯金が主流ですが、たまには可愛い貯金箱を使ってコツコツとお金を貯めてみるのもいかがでしょうか?