栄養価が高く、天然のサプリメントと言われるバナナ。
腸内環境を整え、疲労回復やむくみ改善、寝つきをよくするなど、たくさんの効果があります。
お子さんのおやつとしても人気ですが、購入して皮が茶色くなるにつれて、
と、見た目で食べるのを迷ってしまいますよね。
しかし、きちんと変色の理由や防止策を知っていれば安心して美味しいバナナが食べられますよ。
ぜひ最後までお読みください。
バナナの皮が茶色くなる理由は「低温障害」と「エチレンガス」
バナナは一般的に4〜6本の房で売られており、最後の1本までなるべくきれいな状態で食べたいですよね。
どうしてバナナの皮が茶色くなってしまうのか、また、どの状態なら食べても大丈夫なのでしょうか。
1.低温障害
2.エチレンガス
順番に詳しく見ていきましょう。
低温障害
バナナは熱帯性植物のため、13℃以下の寒い場所がとても苦手です。
常温で保存するのに最適な温度は15〜20℃。
バナナが冷気を感じると、不飽和脂肪酸が増えて細胞の破壊が進み、皮の黄色さが失われていくのです。
不飽和脂肪酸
脂肪の構成要素である脂肪酸のうち、植物や魚の脂に多く含まれるもの。
脂肪を構成している要素である脂肪酸は、分子の構造的な違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、そのうち植物や魚の脂に多く含まれるものを不飽和脂肪酸といいます。
エチレンガス
そしてもう1つ、バナナから発生する「エチレンガス」も変色に大きく影響します。
エチレンガスとは野菜や果物が自ら熟成を促すものですが空気中にも存在し、バナナの成熟を促します。
りんごとバナナを一緒に保管して、みるみるうちに変色が進んだ経験はありませんか?
りんごは特にエチレンガスの発生量が多く、バナナの変色を早めてしまいますので別々の場所に保管しましょう。
なお、バナナをカットしたり皮をむいたりした時にすぐに変色が始まるのは、果肉が空気中の酸素に触れて酸化するためです。
バナナは皮に茶色や黒の斑点が出たら食べ頃
バナナは、皮に茶色や黒の斑点が出てきたら食べ頃です。
この斑点を「シュガースポット」と言い、バナナの成熟が進んで糖度が増している証拠。
栄養価も上がるので、斑点の時期を見逃さないようにしましょう。
季節にもよりますが、きれいな黄色の状態のものを購入すると4〜5日で食べ頃になります。
また、「低温障害」により皮全体が茶色く変色していても、腐っているわけではないので食べられます。
しかし、果肉の成熟が進むと今度は傷みやすくなるので要注意。
- グニャグニャするほど柔らかく水分が出ている
- 異臭がする
- カビが生えている
- 果肉が黒くなっている
- 酸味や苦味がある
このような状態が見られる場合は食べるのはやめましょう。
状態別|バナナの変色を防ぐ方法
バナナの皮がある状態とない状態とでは変色する原因が違うので、変色を防ぐ方法も違います。
なるべく見た目もよいものを食べたいですが、ちょっとした工夫で変色を遅らせられますよ。
1.皮がある場合
2.カットした場合
以下、バナナを状態別に分けてご紹介していきます。
皮がある場合
まずは、購入したらすぐに袋から出しましょう。
袋のままですとエチレンガスに閉じ込められているようなもので、熟れるのも早くなってしまいます。
バナナスタンドに吊すのが1番よい方法ですが、ない場合は机との接触面を減らすためにアーチ部分を上に向けて置きます。
なお、冷蔵庫に入れると「低温障害」により皮全体が一気に茶色くなり、以下の状態で果肉の成熟が止まります。
皮が黄色い場合
糖度が低いままになるので甘味・旨味の足りない状態になる
皮に斑点が出ている場合
食べ頃の状態をキープできる
斑点が出てから冷蔵庫で保存する場合は新聞紙で包み、さらにジッパーなどの袋でしっかりと口を閉めます。
そうすれば変色も遅らせつつ美味しい状態をキープできますよ。
カットした場合
お弁当に入れたり、スイーツに使ったりとバナナの用途は幅広く、カットして食べたい方もいらっしゃるでしょう。
カットすると果肉が酸素に触れて一気に変色が進むので、カット面に以下のものを塗るのがオススメです。
レモン汁 | カット面が多少酸っぱくなる |
果汁100%の柑橘系フルーツジュース | |
酢水 | 酸っぱさが苦手な場合はりんご酢がオススメ |
塩水 | バナナの変色には1番効果があるが、つけすぎるとしょっぱくなる |
砂糖水 | 多少甘くはなるが、そこまで味に影響なし |
フルーツ缶詰のシロップ | |
ナパージュ | コーティングにより見た目も美しく、ケーキに使用する際にオススメ |
上記のものを塗る以外にも、ラップでしっかり包むだけでも変色は遅くなります。
とにかく果肉が酸素に触れないようにするのが大事。
カットすれば数分で変色が進みますので、どの作業も手早く終わらせてくださいね。
朝〜夜|バナナを食べるベストタイミング
効率よくバナナの栄養を摂取するには、いつ食べるとよいのでしょうか。
一般的には朝食べるイメージが強いかもしれませんが、昼も夜もちゃんと私たちの生活の手助けをしてくれますよ。
朝バナナ
- 1日の原動力になる
バナナは他のフルーツに比べてカロリーや糖質が高く、朝に食べると睡眠中に失われた栄養素を補ってくれます。
エネルギー不足になると日中疲れやすくなりがちですが、栄養がしっかり脳に届いて1日の原動力になるのです。
また、ヨーグルトに混ぜて食べると腸内環境を整えてくれ、代謝も上がりやすくなります。
食物繊維も豊富なバナナは便秘がちの方やダイエット中の方にも強い味方です。
昼バナナ
- 疲労回復でエネルギーアップ
バナナは疲労回復を手助けしてくれるビタミンB1も豊富です。
昼にバナナを食べると、朝の活動で疲れた体を回復してくれるだけではなく集中力もアップ。
昼からの活動をしっかり頑張りたい時には昼バナナがオススメです。
また、むくみやすい女性にも有効。
バナナにはカリウムも含まれており、ナトリウム(塩分)の排泄を促してむくみの予防・解消の手助けをしてくれます。
夜バナナ
- 1日の疲れを癒やして睡眠の質もアップ
バナナに含まれているトリプトファン(アミノ酸)は、睡眠ホルモンであるメラトニンを生成します。
夜にバナナを食べるとメラトニンの生成率が上がり、寝つきをよくして睡眠の質を高めてくれる効果があります。
メラトニンはストレスを感じると減ってしまうので、昼間にストレスを受けた脳に夜バナナはぴったり。
ただ、バナナには果糖も含まれており、夜に摂取すると中性脂肪に変わりやすいので食べ過ぎには注意です。
夕食の量を調節するなどして、カロリーオーバーにならないようにしましょう。
バナナの栄養でフレッシュな生活を楽しもう
以上、この記事ではバナナが茶色くなる理由や変色を防ぐ方法をお伝えしました。
バナナを少しでもきれいな状態で保存するには、とにかく酸素に触れる時間を少なくするのが大事です。
時間との戦いですが簡単にできるものばかりですので、ぜひご家庭でもやってみてくださいね。
栄養価の高いバナナを取り入れて、フレッシュな生活を楽しんでいきましょう。