こんな疑問を抱えていませんか?
日本語には「花が枯れる」を表現する動詞が複数あります。これらの動詞は、花ごとに違っていて使い分けられています。
そこでこの記事では、「花ごとに違う枯れる日本語の表現」を徹底解説していきます。
読めば花に合った「枯れる」の表現を使えるようになり、会話に花が咲きますよ。
【解説】花ごとに違う「枯れる」のおしゃれな表現
花が枯れる日本語の表現は、花ごとに違っておしゃれです。それでは早速、「枯れる」の日本語表現を花ごとに解説していきます。
それぞれの表現は以下の通りです。
- 桜|散る
- 梅|零れる(こぼれる)
- 椿|落ちる
- 牡丹|くずれる
- 雪柳|吹雪く(ふぶく)
- あじさい|しがみつく
- 菊|舞う
一ずつ順番に見ていきましょう。
桜|散る
桜の終わりは、「散る」と表現されます。
冬から春への移り変わりを告げる桜。桜の花は満開の時期がとても短く、数日で花びらがひらひらと落ち始めます。
花の色は散り際が一番濃く、その後、花びらが一枚ずつ離れていく。風に吹かれて落ちてゆくその様子から、「散る」と表現されます。
梅|零れる(こぼれる)
梅の終わりを表す動詞は、「零れる(こぼれる)」です。
梅の木は背が低く、目の高さで咲いている花が花弁より落ちてゆく。そのぽろぽろと落ちてゆく姿が、あふれ出ているように見えるところから「零れる」と表現されるようになりました。
「零れ梅」とは、零れた梅が木の周りに絨毯のように広がっている様子です。
椿|落ちる
椿は「落ちる」と表現します。
椿は大ぶりの花を鮮やかに咲かせた後、花びらが一枚ずつ散るのではなく、枯れるまで枝に付いていて、首からぽとりと落ち、花が終わります。
花が首から落ちるのが斬首を想像させるため、「縁起が悪い」と武士の庭には植えられませんでした。
牡丹|くずれる
牡丹は、「くずれる」と表現します。
晩春(4月下旬~5月上旬)に華やかな大輪の花を咲かせる牡丹。
一枚ずつ花びらが離れてゆくのではなく、一気に花びらが散っていきます。前日まできれいに咲いていた花が、朝にはすっかり形をなくしていることも。
あっという間に花の形がなくなることから「くずれる」と表現します。
雪柳|吹雪く(ふぶく)
春の訪れを告げるように開花する「雪柳」。早春に枝いっぱい、小さく白い花を咲かせます。
雪柳が枯れる表現は「吹雪く」。
風に吹かれて白い花が一斉に散る姿は、雪が風に吹かれ乱れ降る様子に似ているため、「吹雪く」と言われるようになりました。
あじさい|しがみつく
あじさいは「しがみつく」と表現されます。
あじさいは、咲き終わっても花が散ったり、落ちたりしません。花の色が茶色く変わっても、剪定しない限りいつまでも枝についています。
その姿が枝に「しがみついている」ように見えるため、「しがみつく」と表現されるようになりました。
菊|舞う
菊の終わりを表す言葉は「舞う」です。
菊は長く咲き続け、花びらが散りにくい花です。
枯れると花びらは垂れ下がり、風に吹かれてはらはらと揺れ動きます。その様子が踊っているように見えることから「舞う」と表現されます。
おしゃれな日本語の表現を楽しもう!
以上、「花ごとに違う枯れる日本語の表現」をご紹介しました。
花が咲く様子は鮮やかで美しく、また、散る姿にもはかない美しさを感じる日本人の感性が、花によって違う「枯れる」の表現を生み出しました。
「枯れる」以外にも表現の仕方が違う言葉は、まだあります。
言葉の知識を増やして、おしゃれな日本語の表現を楽しんでください。
最後までお読みいただきありがとうございました。