「お墓を建てようと考えているけどタイミングがわからない」
「お墓を建てる場所の選び方がわからない」
「お墓を建てるのにいくらかかるのか見当がつかない」
こんな悩みを抱えていませんか?
しかし、安心してください。
この記事では、現役WEBライターである私が「お墓を建てる時の手順」について隈なくリサーチし、初心者でもわかりやすいように解説しています。
この記事でわかること
- お墓はいつ建てるのが適切なのか
- 墓地を探して決めるにはどうすればいいのか
- お墓の建立の費用はいくらぐらいなのか
なるべく早くお墓を建てたいと考えている人から、自分自身のお墓を生前に建てたいと思っている人まで、ぜひ参考にしてみてください。
お墓を建てる手順を5ステップで解説!
お墓を建てるためには下記の手順で進めていきます。
- お墓を建てる時期を決める
- 必要な費用を調べる
- お墓を建てる場所を選ぶ
- 墓石の種類やデザインを決める
- 業者との契約・墓石設置
ここでは、この手順について順番に詳しく解説していきます。
ステップ1:お墓を建てる時期を決める
お墓を建てる時期やタイミングに決まりはなく、自由です。だからこそ、皆はどうなのだろう、一般的にはどうなのだろう、となおさら迷いますね。
では、大きく「生前」か「死後」か、の2つに分けて見ていきましょう。
生前に建てる
身内のため、あるいは自分自身のためのお墓を、生きている間に建てようと考える人は少なくありません。
「いつか来る時」のために、時間的にも精神的にも余裕を持って情報収集や比較検討できれば、自分も家族も皆、安心できるお墓を建てられるでしょう。
昨今は「終活」が浸透し、自分が死んだ後の様々な準備を自分自身で用意しておこうとする意識が高まっています。お墓に関してもその1つで、墓石で自分の好きな物や希望の物の形を造ってもらう、好きな文字や文章を入れてもらうなど、個性を表現できるようになっています。お墓に自分のこだわりや思いを込めたい思いからも、生前の建立は抵抗が少なくなっているようです。
また、生前に建てた自分の墓は「寿陵(じゅりょう)」と呼ばれ、長寿をもたらすなど縁起が良いとされています。
死後に建てる
生前にお墓を建立する場合に対し、身内の死後にお墓を建てるのならば、やはり完成を急ぐ気持ちになりますね。お墓はどれくらいで完成するのでしょうか。
お墓が完成するまでに要する期間は、最短でも約2~3カ月と言われます。これは工事期間ですので、身内の死後すぐお墓の施工に取りかかったとしても、基本的に納骨の時とされる四十九日に間に合わせるのは難しいでしょう。ですが、心配いりません。今は、「四十九日にこだわらず一周忌を目途に納骨」の流れが浸透していますので、お骨はその時まで自宅で保管していて良いのです。
1年の間にお墓を建てると計画すれば、焦らずしっかり準備して建てられますね。もちろん、情報収集だけは早いうちから行っておくと、本格的にお墓建立を始めた際に諸事順調に進みますよ。
ステップ2:必要な費用を調べる
お墓を建てるのに一体いくら必要なのかは一番気になるところです。金額に幅はありますが、あくまで相場を知るための参考にしてみてください。
相場は200万円~350万円
墓石に特別凝った装飾などは施さず、民営の霊園に一般的なお墓を建てる場合で200万円~300万円、全国の平均額は250万円と言われています。
永代使用料
永代使用料とは墓地を利用するために支払う料金です。お墓の土地を使用する権利を得るために墓地を管理している寺院や霊園に支払います。永代使用料の相場は約50万円~130万円と開きがあります。その理由は地域差や立地条件、区画面積、管理運営元など様々な要素があるからです。
詳しくはこちら:樹木葬・永代供養ならエータイ
墓石加工・設置工事費等
墓石には様々な種類や加工方法があり、料金は様々です。墓石加工費に設置費用を加算した合計額の相場は、100万円~200万円とされます。特別加工を施した場合は、さらに費用が必要となるでしょう。
●墓石特別加工の例(名称のみ紹介します。)
香箱加工・トキン加工・亀腹加工・水垂加工・造り花加工・蓮華台加工・上下蓮華加工・スリン台加工・木瓜加工・台石亀腹加工・台石水垂加工など
引用元:須藤石材
ステップ3:お墓を建てる場所を選ぶ
お墓を建てる場所の種類は、管理・運営元によって分類されます。費用の差の他、即購入可かどうかにも差があります。
ここでは主な3種類の墓地・霊園として、寺院墓地、民営霊園、公営霊園をご紹介します。
寺院墓地
寺院が管理・運営しているので、寺院の境内にお墓を持てる安心感があります。
ただし、檀家であることが条件とされたり、お布施も必要とされたりし、そのためのお金がかかります。
公営霊園
市町村など自治体が管理・運営しているので、安心、信頼感があります。ただし制限がある場合が多く、また申し込みの倍率が高い傾向にあります。
民営霊園
宗教法人や公益法人が管理・運営しているので、駐車場をはじめ各設備が充実しています。ただし、公営霊園と比べると費用は高めです。また、霊園の方で石材業者を指定しており、個人では業者を選べない場合もあります。
上記に分類した場所の要素とは別に、アクセス面についても要チェックです。家族がお参りに行きやすい位置にあるか、距離や交通の便なども考慮しましょう。
ステップ4:墓石の種類やデザインを決める
墓石はバリエーション豊富で、石の色・形も彫刻のデザインも多種多様です。これらについて事前に大まかに知っておくと、実際に石材店に依頼した際、効率良く候補を絞れそうです。
墓石の種類を決める
墓石には国産石と外国産石があります。まず国産石の説明をします。
国産石
国産石は、採掘量の少なさから希少であり高額になっています。しかし、日本の土で育っているので日本の気候に適応し、外国産石にくらべて劣化しづらい利点があります。どの石材も、数百年使い続けられる安定した品質といえます。
代表的な国産石は以下のとおりです。
大島石
紀山石(きざんせき)
花崗岩
安山岩
外国産石
外国産石は国産石に比べて安価なため、日本で流通している安価な墓石は多くが外国産石になります。また、石色の多彩なラインナップも魅力ですが、材質の良さ・悪さの差が大きいので、石材店と相談し慎重に選びましょう。
代表的な外国産石は以下のとおりです。
G603
アーバングレー
閃緑岩(せんりょくがん)
墓石のデザインを決める
墓石のデザインは、大きく和型と洋型に分類できますが、和洋の枠に入れられない、オリジナルのデザインで造る「デザイン墓石」と称される墓石もあります。
それぞれの特徴を簡単にまとめます。
和型墓石
縦長の墓石が中心に置かれている型が一番の特徴です。江戸時代頃から一般的なお墓の型となり、日本人にとってなじみのあるお墓の型です。
和型のお墓には「大島石」や「紀山石」など、白い石材が適しているようです。
洋型墓石
横長の墓石で、彫る文字や墓石の形に決まりがありません。和型墓石とは異なった特徴的なお墓を建てたい人に好まれています。
洋型のお墓には「G603」や「アーバングレー」などがよく使われます。
デザイン墓石
石材店ごとでオリジナルなデザインを施したお墓ですが、個人の要望にも忠実に応えてもらえます。お墓を建てる人のこだわりや個性に応じて造る、オリジナリティの高いお墓です。
注意点として、
- デザイン墓石に対応していない石材店もある
- 家族・子孫が同じデザイン墓石のお墓に入ると考えた時、理解を得られるか
などが挙げられます。デザイン墓石に関しては、石材店での取り扱いの有無をチェックし、家族での話し合いをしっかり行う必要があります。
ステップ5:業者との契約・墓石設置
予算、墓地・墓石のタイプまで絞りこめたら、依頼する石材店を探します。どのようなお墓を建てたいかなど希望を伝え、見積もりを出してもらいます。候補となるお店が複数あれば、より良い条件の店が見つけられますね。
施工費の見積もりを依頼する
墓石とデザインが決まったら見積もりを依頼します。
業者と契約する
見積額に納得したら契約し、納期を確認します。
※法要に間に合わせたいなど希望の納期があれば忘れずに伝えましょう。
墓石設置
契約締結すれば、いよいよ設置工事開始です!
「建てないお墓」にお骨を納める方法
最近では、「お墓」に対する概念や需要に変化が見られます。墓地用地の不足、お墓を守る人がいない、手入れや維持が大変、その他様々な事情から、従来の「お墓」を持たないとする流れもあります。
ここからは、墓地・墓石を購入する従来の「お墓」とは異なる、納骨や供養のための方法を紹介します。
納骨堂
昨今、新たなお墓の形として広く認識され利用されています。個人、夫婦など様々な単位で遺骨を収蔵できる納骨スペースです。遺骨を土に還さないで骨壺に入れたまま収蔵する点が、従来のお墓と大きく異なります。
納骨堂の多くは宗派不問で、寺院の檀家になる必要もありませんので、いろいろな所に気軽に問い合わせして比較検討すると良いでしょう。
納骨堂のタイプはバリエーション豊富ですが、今回は3つのタイプを紹介します。
ロッカー型
同じ大きさのロッカー型の納骨スペースが集合しています。以前は駅などにあるコインロッカーのようなシンプルなデザインが多く、温かみがないと敬遠する人も多かったようです。しかし、最近のロッカー型はデザインやバリエーションが多彩になり、見た目は華やかで、中は小さなお仏壇のようになっている物もあります。
家名を入れられるタイプもあり、小さいながら完全に個別のスペースで供養ができます。
仏壇型
上壇に仏壇、下壇に遺骨の収蔵スペースがあるタイプです。仏壇スペースには遺影を飾ったり、花や故人が好きだった物を飾ったりと、自由に使えるのが魅力です。下段の収蔵スペースも広々としており、代々のお墓としても利用できます。本物の仏壇に倣った仕様ですので、大きさや装飾によって異なりますが、総じて他のタイプに比べて価格帯は高めです。
自動搬送式
立体駐車場や荷物の搬送などに使われているシステムを応用したものです。専用のカードをタッチパネルにかざすと、裏側の収蔵庫から参拝ブースまで遺骨を収めた厨子(ずし)と呼ばれる箱が自動的に運ばれてきます。狭小スペースでも多くの数の遺骨を収蔵できるため、多くの場合、駅から近いビルなどに建設されています。
永代供養墓(えいたいくようぼ)
合祀墓(ごうしぼ)・合葬墓(がっそうぼ)とも呼ばれるスタイルで、他人の遺骨と一緒に埋葬されるお墓です。
以前は、主として身寄りのない人や後継ぎがいない人の供養手段でしたが、昨今は代々のお墓を維持するのを困難に感じ、お墓より永代供養墓を選ぶ人が増えています。
遺族や子孫に代わって霊園や寺院などが遺骨を管理・供養してくれるので、お墓を建てる費用のない家庭にとっても、永代供養墓は有力な選択肢となるようです。お墓のつくりにもよりますが、大抵の場合は共用の参拝スペースなどに供花を持ち寄り、線香を上げられます。
ただし注意しなければならない点として、永代供養墓は骨壺から焼骨を取り出し土中に埋葬されるので、色々な人の遺骨と混ざった状態になります。後になってもし「やっぱりきちんとしたお墓を建てたい」と思っても、遺骨は既に他人の骨と混ざってしまっているため、遺骨の返却は不可能です。
子どもにお墓を守る負担をかけたくないとの思いで永代供養墓に決めてしまうと、遺骨をめぐり家族間でトラブルが起こるケースもあります。自分1人で決めるのではなく、家族で話し合い、理解し合った上での決定が大切です。
その他~自然葬
遺骨や遺灰を海や山などの自然に還す自然葬の種類はいくつかあります。日本で一般的かつ実施可能なスタイルは樹木葬と海洋散骨です。
散骨するためには、まず遺骨をパウダー状に細かく粉砕します。そうすれば海や山や川に撒いて良いとされます。
もちろんどこにでも自由に遺骨を埋めたり撒いたりするのは違法です。然るべき業者に依頼し、法に則って行いましょう。
樹木葬
昨今話題になっているスタイルです。墓碑を石ではなく樹木にするといえばわかりやすいでしょう。「大きな木の根元にお骨を納める」「花壇の下にお骨を納める」など色々なタイプがあります。
霊園内の区画割りされた場所に埋葬する型が一般的ですが、里山全体を墓地としている樹木葬もあります。
海洋散骨
海の沖合で遺灰を撒く葬法です。
遺骨は必ずパウダー状に細かく砕きます。そうしなければ遺体等遺棄罪に抵触する恐れがあります。
散骨に関してはまだ国の定める法律やガイドラインがないのが現状で、節度を持った散骨が求められています。業者選びから慎重に進めましょう。
まとめ:大切なお墓を建てるため、後悔のないように時間をかけて調べよう
この記事のポイント
- お墓の建立の時期は、生前でも死後でも準備を整えれば大丈夫
- お墓を建てる場所の違いとは、管理・運営元の違い
- お墓の建立費用の相場平均額は約250万円
お墓を建てるのは、一生に一度あるかないかの大きな買い物です。
いつ建てるか・どこに建てるか・墓石はどの程度のグレードにするかなど1つずつ項目を整理して計画を進め、皆が満足できるお墓を建ててください。