「異論」「反論」は、どちらも「相手の考えに賛成できないときに出る意見」の意味ですが、以下のような違いがあります。
- 「異論」は、相手の考えとは異なる意見
- 「反論」は、相手の考えを完全否定する反対意見
このページでは「異論」「反論」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。
「異論」と「反論」の意味と例文
まず、「異論」「反論」の辞書での意味を確認しておきましょう。
【異論】
他と違った意見や議論。異議。
引用:weblio国語辞典
【反論】
相手の論や批判に反対の意見を述べること。また、その議論。
引用:weblio国語辞典
なんとなく違いはわかりますが、辞書の内容だけでは中々使い分けをするのは難しいですよね。
以下でより詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。
「異論」の意味と例文
「異論」は、相手の考えとは異なる意見を指します。
異論は反対意見だけではありません。
おおかた賛成であっても、部分的に異なる考えがあれば異論と言えます。
例文を見てみましょう。
- 本件について、わたしから異論はございません。
- 異論はありませんが、1点だけ確認してもよろしいでしょうか。
「異論はありません」は、「あなたの意見と異なる意見はありません」と同意です。
つまり「あなたの意見には賛成ですよ」との意思表示につながります。
「反論」の意味と例文
「反論」は、相手の考えを完全否定する反対意見を指します。
反対意見は、相手の意見と違う意見でもあるので「異論」とも言えるでしょう。
つまり異なる意見である「異論」の中でも、特に反対意見のことを「反論」と言います。
例文を見てみましょう。
- 教師の考えには理解ができなかったので、真っ向から反論した。
- 彼の意見には無理があり、反論する社員が続出した。
「反論」には完全否定の意味があり、ビジネスメールなどで使用すると相手に嫌な印象を与えます。
「反論があるのですが」ではなく、「申し上げにくいのですが」や「差し出がましいようですが」などのクッション言葉を使いましょう。
「異論」と「反論」の具体例
それぞれの言葉の意味だけでは、どんな意見が「異論」や「反論」にあたるのかが分かりにくいですよね。
そこで、ここからは身近な具体例を用いて「異論」と「反論」の違いをお伝えしていきます。
「今日の夕飯はハンバーグにしよう」という意見に対して
異論:「ハンバーグだけだと寂しいから付け合わせのサラダも作ろう」
反論:「最近、肉料理が続いているからハンバーグではなく焼き魚にしよう」
異論ではハンバーグを食べることは否定していませんが、反論では違うメニューを提案しています。
「今度の休みは動物園に行こう」という意見に対して
異論:「動物園にいくなら、お昼ご飯は近くにあるカフェで食べよう」
反論:「動物園は疲れるから、映画館でゆっくりしたいな」
異論では動物園に行くことに賛成していますが、反論では違う場所がいいと否定を示しています。
「異論」と「反論」の違いまとめ
以上「異論」と「反論」の違いと正しい使い分けが、おわかりいただけましたでしょうか。
最後にもう一度、使い分けのポイントをお伝えします。
- 「異論」は、相手の考えとは異なる意見
- 「反論」は、相手の考えを完全否定する反対意見
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方をマスターしましょう。