「頂く」・「戴く」は、どちらも「いただく」と読みますが、細かな意味や使い分けが、難しいと思う時もありますよね!
このページでは「頂く」と「戴く」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。
最後まで読んで頂ければ、きっとビジネスシーンにもお役にたてると思います。
「頂く」と「戴く」の基礎知識
「頂く」は常用漢字ですが、「戴く」は常用外漢字。
教科書や公文書などでは常用漢字を用いるとされているため、「戴く」が使われることはありません。
従って、ビジネスシーンにおいても、基本的に「頂く」を使うのが正解です。
「ひらがな」にした方がいい場合もあります。
動詞の「いただく」を「来ていただく」のように使う場合、「いただく」は「~してもらう」の意味で謙譲語の補助動詞として使われており、漢字本来の意味はもっていません。
「公用文における漢字使用等について」では、補助動詞はひらがなで表記するようになっているため、「いただく」を補助動詞として使う際には、ひらがなで表記します。
【補助動詞としての使い方は主にふたつ】
① 自分のために相手に何かをしてもらう意の謙譲表現。
例:「せっかく来ていただいたのですが、〇〇課長はおりません」
例:「ご心配いただきまして、恐縮です」
② 自分がある動作をするのを、他人に許してもらう意を表す。
「させてもらう」の謙譲語
例:「あとで読ませていただきます」
例:「お休みをさせていただきます」
◇ 「お金」をいただいたときは、どちらを使う?
報奨金や大きな金額の場合、「戴く」を使いますが、お小遣い程度の金額の場合は大げさに感じられてしまいます。
◇ 「お土産」をいただいたときは、どちらをつかう?
「ちょっとしたお気遣い」の物品であれば、「頂く」を使用します。
「頂く」と「戴く」の意味
「頂く」と「戴く」の意味を調べてみました。
読み方:いただく
- 頭にのせる。かぶる。また、頭上にあるようにする。
- 敬意を表して高くささげる。頭上におしいただく。
- 敬って自分の上の者として迎える。あがめ仕える。
- 「もらう」の謙譲語
- 「食う」「飲む」の謙譲語等々。
引用:weblio国語辞典
「頂く」は、「食べる・飲む」の謙譲語、「もらう」の謙譲語としても使用します。
「頂く」は常用漢字であり、普段書面ではこちらを使います。
「戴く」には「面を持ち上げてかぶせる」「頭に物をのせる」という意味があります。
「戴く」にも「頂く」と同様の意味が含まれますが、主に対象が自分より非常に上である場合や、物品や品物に関わる時に使用されます。
「もらい物」と同様の「戴き物」にはこちらの漢字を使用します。
「戴く」は常用外漢字のため、通常はあまり使いません。
そのまま使える「頂く」の例文
「頂く」と書き表すのは、「食べる・飲む」「もらう」の謙譲語として使用する場合です。
次の例文で使い方を見てみましょう。
【頂くの例文】
- 「お土産を頂きました」(「もらう」の謙譲語)
- 「お中元を頂きました」
- 「もう十分に頂きましたのでおかわりは結構です」(「食う」「飲む」の謙譲語)
- 「お菓子を頂く」(自分が)お菓子を食べる
- 「お手紙を頂くのを楽しみにしています」
そのまま使える「戴く」の例文
「戴く」にも「頂く」と同様の意味が含まれおりますが、主に対象が自分より非常に上の人である場合や、物品や品物をありがたくいただく時に使用されます。
次の例文で使い方を見てみましょう。
【戴くの例文】
- 「社長賞を戴き、大変光栄です」
- 「お菓子を戴く」お菓子をありがたく受け取る
- 「大好きだった作家さんからサインを戴きました」(目上の方から、ありがたくいただくイメージの時に使用します)
「頂く」と「戴く」を使う際の注意点
このふたつの最も大きな違いは、「頂く」が常用漢字で、「戴く」は常用外漢字であること。
ビジネスシーンにおいても、基本的に「頂く」を使いましょう。
また、厳密には意味の違いがあるものの、このふたつは同じように使われます。
「頂く」と「戴く」、どちらの漢字を使うのか判断に迷ったときは、「頂く」を使う方が無難ですが、迷った時はひらがなで「いただく」としても間違いにはなりません。
【使い分けの例文】
- お菓子を頂く→(自分が)お菓子をたべる
- お菓子を戴く→お菓子をありがたく受け取る
「頂く」と「戴く」の違いまとめ
いかがでしたか?
「戴く」を使用するのは、かなり限られたシーンであることがわかりましたね。
以上「頂く」と「戴く」の違いと正しい使い分けが、おわかりいただけましたでしょうか。
最後にもう一度、使い分けのポイントをお伝えします。
- 「頂く」は「食べる・飲む」「もらう」の謙譲語
- 「戴く」は、目上の人から物をいただりした時の言葉
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方をマスターしましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました。