「言う」「云う」「謂う」はどれも「いう」と読みます。
「いう」には「単語・言葉・思いを音声として発する」「相手に考えや思いを伝達する」の意味や、「~という○○」のように慣用表現もありますが、それぞれの漢字の使い分けには以下のような違いがあります。
「言う」:単語や文を声に出して発する。話す。喋る。
「云う」:他人の言葉を引用する際に使う。
「謂う」:ある人や事、物について批評する。述べる。
このページでは「言う」「云う」「謂う」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。
「言う」「云う」「謂う」の意味と例文
まず、「言う」「云う」「謂う」それぞれの漢字の辞書での意味を確認しておきましょう。
【言】いう。ことば。口に出して言うこと。
引用:weblio国語辞書
【云】いう。いわく。
引用:weblio国語辞書
【謂】いわれ。また、…という意味、…のこと。
引用:weblio国語辞書
なんとなく違いはわかりますが、辞書の内容だけでは中々使い分けをするのは難しいですよね。
以下でより詳しい意味や例文を見ながらそれぞれの違いを確認していきましょう。
「言う」の意味と例文
特に「自分の考えや事実を述べる」ときに用います。
「言う」「云う」「謂う」の中で「言う」のみ常用漢字となっているため、公的文書やビジネス文書では「言う」を用います。
例文を見てみましょう。
- 上司に礼を言う
- 今日はパスタが食べたいと友が言う
自分の思いや考えを「いう」ときに使います。
発話という行為全般に使われます。
「云う」の意味と例文
意味は「言う」と違いありませんが、特に「他人から伝えられたことを述べる」ときに用います。
例文を見てみましょう。
- イギリスと云う国
- 昔から云われるように"人生は楽あれば苦あり″だ
世間一般にそう認められている事実を「いう」ときに使います。
「謂う」の意味と例文
「所謂(いわゆる)」の使い方と同様で、特に「ある人や事、物について述べる」ときに用います。
例文を見てみましょう。
- 彼は謂わば現代のソクラテスだ
- 私にとって姉は謂わば育ての親のような存在だ
頭で考えて「いう」ときに使います。
「いってみれば」の置き換えとして使うと考えても良いですね。
「言う」「云う」「謂う」の違いまとめ
以上、「言う」「云う」「謂う」の違いと正しい使い分けが、おわかりいただけましたでしょうか。
最後にもう一度、使い分けのポイントをお伝えします。
「言う」:単語や文を声に出して発する。話す。喋る
「云う」:他人の言葉を引用する際に使う
「謂う」:ある人や事、物について批評する。述べる。
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方をマスターしましょう。