- 「危篤」って、どんな状態なの?
- 「臨終」は、どういう意味?
- 「危篤」の時は、どう対応すればいいの?
などと、不安な思いを持っている方は、多いのではないでしょうか。実際に、「危篤」や「臨終」の場面に接した時、どうしたら良いか戸惑いますよね。
そこでこの記事では、「危篤」や「臨終」の関連記事を徹底的にリサーチし、
- 「危篤」と「臨終」の意味は?
- 「危篤」と「臨終」の違いは?
- 「危篤」から「臨終」まで心得ておきたいことは?
について、私の体験もふまえ、わかりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、「危篤」や「臨終」の事態になった時、冷静に状況を判断し、適切に対応できますよ。
「危篤」と「臨終」の意味と違い
まず、「危篤」と「臨終」の意味を辞書で見てみましょう。
【危篤】病気が非常に重くて、今にも死にそうなこと。
引用元:「危篤」の意味や使い方わかりやすく解説 Weblio辞書【臨終】人が死のうとするまぎわ。死にぎわ。末期(まつご)。また、死ぬこと。
引用元:「臨終(りんじゅう)」の意味や使い方わかりやすく解説 Weblio辞書
なんとなく違いはわかりますが、辞書の内容だけでは状況把握や、使い分けは難しいですよね。
以下で、より詳しい意味や使い方を見ながら、その違いを見ていきましょう。
「危篤」の意味と使い方
「危篤」とは、病状が悪化して、今にも亡くなりそうな状態を意味します。まれには、意識を取り戻し回復する場合もあります。
しかし、回復の可能性は低く、半日から2~3日、長くても1週間程度で最後を迎える場合が多いでしょう。
医学的には、「危篤」の明確な判定基準はありません。医師が患者の容態を見ながら、判断します。
それでは、使い方を見てみましょう。
「危篤」の使い方
- 病院から母が「危篤」状態であると連絡が入った。
- 会社のAさんが、交通事故で病院に運ばれ、「危篤」状態だと聞いた。
悲しい状況ですが、知らせや連絡を受けた段階で、覚悟を決めなければなりません。
「臨終」の意味と使い方
「臨終」とは、人が亡くなる瞬間を表現する言葉。一般的に、医師により死の判定がなされた時点を意味します。
人の死は、医師による3つの判定が必要になります。人が死に至ったかどうかの判定は、「医師」のみができると法律で規定されています。
死亡の3つの判定基準
- 呼吸の停止
- 脈拍の停止
- 瞳孔拡大
医師により、3つの状態がすべて認められた場合、死亡と判定されます。
次に、使い方を見てみましょう。
「臨終」の使い方
- 病院からの連絡で、急いで駆けつけたが、父の「臨終」に間に合わなかった。
- 寒々とした病室に、「ご臨終です」と医師の空虚な言葉が響いた。
できるならば、大切な人の最期をみとってあげたいものです。
「危篤」と「臨終」の違い
「危篤」と「臨終」の違いは、病状回復の見込みがあるかないかです。
「危篤」については、回復する見込みは低いですが、全く無いとはいえません。奇跡的に回復する場合もあります。
しかし、「臨終」は、回復する見込みはありません。意識の有無では、「危篤」については問いませんが、「臨終」は意識がありません。
見方を変えると、「危篤」は「臨終」に至る前段階といえます。「危篤」に陥った時に、その後の「臨終」が予期される事態と判断されます。
「危篤」から「臨終」まで心得ておきたいこと
ところで、普段から「危篤」や「臨終」について、気にしている人は少ないでしょう。
これらの疑問や不安に準備しておくことが、実際に直面した時に役立ちますよね。
順番に見ていきましょう。
連絡先のリストを作成しておく
病院から「危篤」状態の連絡を受けた時、自分以外の家族や近親者に連絡しなければいけません。その時、すぐに対応できるように、事前に連絡先のリストを作成しておきます。
緊急の場合に、親族や近しい友人などの連絡先がすぐにわからない時があります。事前に連絡先のリストをスマホでグループ分けしておけば、すぐに電話できますし、メールもできます。トークアプリも記録として残るため、有効な連絡手段となるでしょう。
それでは、「危篤」の連絡を伝えるべき人とは、どんな人なのでしょうか?
危篤を伝えるべき人
- 同居の家族
配偶者、子供、祖父母、孫 - 三親等以内の親族
両親、配偶者、子供、兄弟姉妹、祖父母、孫、叔父叔母、伯父伯母 - 危篤になった本人と親しい友人や知人
ご本人にとって、親交の深い人
一般的には、上記の範囲が考えられます。しかし、この範囲にとらわれず、「ご本人が最後に会いたい人」が最も優先されるべき人になるでしょう。
本人情報を正確に伝える
親族や近親者に連絡をとる場合は、「危篤者」に関連する情報を正確に伝える必要があります。誤った情報を伝えると、取り返しのつかない事態になるかも知れません。
連絡する内容
- 連絡している自分の名前と「危篤者」との続柄
- 「危篤者」の名前
- 「危篤者」の容態
- 入院している病院名と場所、病室番号
- 連絡が取り合える自分の携帯番号やメールアドレス
「危篤」状態になった場合、連絡する人も冷静さを保つのは、難しいでしょう。しかし、事前に伝える内容を把握しておけば、連絡しやすいのではないでしょうか。
泊まり込みの準備をする
病院から「危篤」の連絡を受けた場合は、「危篤」状態が続く事態も考慮し、泊まり込みについて準備します。
入院先の病院が自宅から近ければ対応しやすいといえます。そうでない場合は病院に泊まり込むか、病院の近くに宿泊先を取らなければなりません。すぐに対応できる宿泊先を準備しておく必要があります。
ただ、現在はコロナ禍の特殊な状況にあるため、病院への泊まり込みは難しいかも知れません。
それでは、何を準備すれば良いのでしょうか?病院に泊まり込む場合とホテルなどに泊まる場合は違いますが、基本的に次のものは必要となるでしょう。
泊まり込みの準備品
- 宿泊用セット(タオル、歯ブラシセット、化粧品、シェーバー、着替えなど)
- 携帯と充電器
- 親族や近親者、友人などの連絡先リスト
- 現金、クレジットカード
「危篤」状態が、どれほど続くかは人それぞれですので、泊まり込みについて準備しておく方が無難です。
まとめ:「危篤」と「臨終」の違い
ここまで、「危篤」と「臨終」について見てきました。
最後にもう一度まとめてみますと、
「危篤」と「臨終」の違い 「危篤」と「臨終」の違いは、病状回復の見込みがあるかないかです。 「危篤」は「臨終」に至る前段階です。「危篤」に陥った状態の後、最後に「臨終」として死が訪れます。
人の最期をみとるのは、最も厳粛で尊厳のある瞬間といえます。
この記事が、「危篤」や「臨終」の事態に直面した時の参考になれば幸いです。