就寝中、突然脚の激痛で目覚める…!この恐怖の「こむらがえり」は、多くの場合数分で収まるとはいえ、その数分がとても長く感じられます。
こむらがえりそのものは病気ではありませんが、筋肉がビキッと突っ張り、息もできないと感じるほどの激しい痛みは耐えがたいものですね。
「こむら」とは「ふくらはぎ」を意味し、「こむらがえり」は、名前が表す通りふくらはぎに多く起こります。けれど実際には、太もも・すね・足の裏・足指など、どこにでも起こります。
クセのように頻繁に起こり「なんとかならないのか」ともどかしく思う人も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、こむらがえりに悩む人のために、起きた時の対処法と予防法を紹介します。
どうぞ最後までお読みになって、こむらがえりの予防にお役立てください。
なお、記事文中で「こむらがえりが起こる」と同じ意味として「(足などが)つる」と表現する箇所があります。ご了承ください。
こむらがえりの主な原因
こむらがえりは中高年の人や妊婦に起きやすいと言われる一方、学生など若い年代でも「よく足がつる」と話す人が多数います。その原因の特定は難しいとされますが、原因と考えられている要素がいくつかあります。
体調や疲れ、環境
体調が関係:体の冷え・熱中症・水分不足・睡眠不足・急に体を動かすなど
疲れが原因:運動などによる筋肉疲労・身体そのものの疲労など
環境:夏の冷房・急激な寒暖差・重い掛け布団を掛け仰向けで就寝するなど
栄養の偏り
ミネラルバランスの乱れ:カルシウム、カリウム、マグネシウムの不足
何らかの疾病
考えられる疾病例:椎間板ヘルニア・糖尿病・腎不全・肝硬変・動脈硬化・甲状腺異常など
こむらがえりの対処法
激痛を一刻も早く治めたい時の対処法として、血流の促進があげられます。発症時は体を動かす余裕もなくなるほどの苦しみの最中ですが、何もしないよりは早く治まります。自分ひとりで行えますので、我慢して実践してみてください。
ストレッチやマッサージ
ストレッチ:こむらがえりが起きた部位を伸ばします。ここではふくらはぎの場合を紹介します。
1.つま先をつかみ、ゆっくり自分の体の方へ引きつけるようにしてふくらはぎを伸ばします。
2.つった方の脚を立て膝にして、両足でつま先とかかとを持ちます。そのままゆっくり前方に体重をかけてふくらはぎを伸ばします。
3.壁に向かい、つった方の脚を後ろに引いて立ちます。壁を手で押すようにゆっくり体重をかけ、つった方のふくらはぎを伸ばします。
参考:「健康ぷらざ」
↓こちらも参考になさってください。
マッサージ:ふくらはぎ全体をほぐすようにやさしくマッサージします。
部位を温める
お湯や蒸しタオルで温めます。
就寝中ですと即実行するのは不可能ですが、実践できる時には「温める対処法」もぜひ取り入れてみてください。
こむらがえりの予防法
こむらがえりはとてもつらい反面、病気ではないからと諦めて放置しがちですが、予防する手段はあります。個人によって効果に差はありますが、できそう、自分に合っていそうと思うものを試してみてください。
体を冷やさない
気温の低さから血行不良になりやすく、これがこむらがえりの元にもなります。体の内からも外からも体を温かく保ち血流促進を意識しましょう。
習慣的な運動やストレッチ
無理せず心地よさを感じる程度に、脚や腕・腰・背中などストレッチをしましょう。少しずつでも習慣化することが予防効果につながります。
仕事で立ち時間が長い人は、休憩時や空き時間にストレッチや屈伸運動をすると良いでしょう。
ウォーキングも、血行促進や体温上昇のためにはおすすめです。ただし汗をかいたら必ず水分補給をしてください。
栄養バランスに気をつける
筋肉の動きをスムーズにしたり、疲労回復を促したりする栄養素を多く含む食材を意識して摂りましょう。
カルシウム:乳製品・魚介類・大豆製品など
カリウム:バナナ・海藻類など
マグネシウム:海藻類・ごま・そばなど
タウリン:カキ(牡蠣)・イカ・タコなど
ビタミンB1:豚肉・うなぎなど
クエン酸:レモン・梅干・酢など
漢方薬を服用する
漢方薬「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」には、筋肉の収縮を抑える効能があります。
その他ちょっとしたポイント
- 入浴ではシャワーだけで済まさないで湯船に浸かりましょう。入浴後のマッサージでより予防効果が高まります。
- 運動時はこまめに水分補給に努めましょう。単なる水よりも、経口補水液などミネラル分を含む飲料がベターです。
- 就寝前にコップ一杯の水を飲みましょう。睡眠中の脱水状態を回避し、こむらがえり予防につながります。
日ごろの生活で、できるところからこむらがえりを予防しよう
こむらがえりの原因は様々です。日ごろの食習慣や行動習慣に思い当たる点があれば、そこから改善してみましょう。自分に合う習慣や行動を根気良く続け、こむらがえりの発症を減らせるといいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。