拐帯とは「他人から預かった金銭や物品を自分のものとして、それを持ったまま所在をくらますこと。持ち逃げ。」です。
テレビドラマ化された松本清張の短編小説『拐帯行』(かいたいこう)で見たことがある人は多いのではないでしょうか。
小説の中で出てきたけど、詳しい意味や使い方については知らない方もいますよね。
そこでこの記事では、拐帯の意味や使い方について分かりやすく解説します。
◆10秒で確認!拐帯の早見表
読み方 | かいたい |
意味 | 他人から預かった金銭や物品を自分のものとして、それを持ったまま所在をくらますこと。持ち逃げ |
類義語 | 「窃盗」「横領」「ネコババ」 |
「拐帯」の意味
拐帯とは、他人から預かった金銭や物品を自分のものとして、それを持ったまま所在をくらますとの意味です。
かつては人を連れ去る、誘拐するとの意味でも使われました。
拐の漢字は「拐かす(かどわかす)」と読み、意味はだましたり、力ずくで奪うです。
帯の漢字はひきいる、ひきつれるとの意味があり、自分のものにすることを表します。
拐帯は、持ち逃げの状態を表し、同じように他人の物を自分の物にするとの意味で窃盗や横領より幅広い概念です。
窃盗や横領は犯罪に当たりますが、拐帯は不法かどうかは問いません。
「拐帯」の使い方
拐帯は主に以下のような場合に使用されます。
人から預かった金品を持ち逃げする。他人の金を持ち逃げするとき
例:彼は公金を拐帯した。
例:妻は主人の金を拐帯した。
例:彼は世間を騒がせている拐帯犯人だ。
「拐帯」の類義語
拐帯には以下のような類義語があります。
- 窃盗
- 横領
- ネコババ
それぞれについて詳しく見てみましょう。
「窃盗」
窃盗とは、人の物をこっそりと盗むことです。
刑法で窃盗罪の規定があり、犯罪です。
次に具体的な例文を見てみましょう。
彼は宝石を窃盗した疑いで逮捕された。
「横領」
横領とは、人の物を勝手に自分のものにし、売却したり、処分したりすることです。
横取りすること。
刑法で横領罪の規定があり、犯罪です。
業務(職務)上、委託を受けたものを横領する場合は業務上横領罪です。
次に具体的な例文を見てみましょう。
管理組合の経理担当者が組合費を横領した。
「ネコババ」
ネコババとは、悪いことを隠して素知らぬ顔をすること。
また、拾得物などをこっそり自分のものにするとの意味です。
文章を書くときに使う書き言葉よりも日常会話で使われる言葉です。
次に具体的な例文を見てみましょう。
彼女はネコババしたお金で代金を支払った。
「拐帯」のまとめ
以上、この記事では拐帯について解説しました。
読み方 | かいたい |
意味 | 他人から預かった金銭や物品を自分のものとして、それを持ったまま所在をくらますこと。持ち逃げ |
類義語 | 「窃盗」「横領」「ネコババ」 |
拐帯はかつては小説などの文学作品で使用された言葉です。
現在では他人のものを自分のものにするとの意味で、窃盗や横領など犯罪を表す言葉の中でよく使われるようです。
日常では聞き慣れない言葉で、難しく感じるかもしれませんが、漢字の元々の意味から考えると言葉の意味が理解できるのではないでしょうか。
この記事を参考に意味や使い方をしっかり理解しましょう。