どんぐりを漢字で書くと、以下のとおり複数存在します。
どんぐりの漢字
- 皁・皂・梍
- 杼
- 団栗
- 鈍愚利
それぞれ字が異なり、且つ文字数もバラバラですよね。
この記事では、どんぐりの漢字や語源について分かりやすく解説していきます。
どんぐりを漢字で書くと
それではさっそく、どんぐりの漢字について解説していきます。
漢字とその由来はそれぞれ以下の通りです。
どんぐりの漢字と由来
- 「皁・皂・梍」=「草」から変化した字
- 「杼」=はた織で使う道具「杼(ひ)」
- 「団栗」=当て字
- 「鈍愚利」=小説に出てくる鈍感な性格を意味する言葉
一つずつ順番に見ていきましょう。
1.皁・皂・梍
「皁」「皂」「梍」は、すべて木の実やどんぐりの意味を持つ漢字です。
はじめは「草」がどんぐりを意味する漢字でしたが、「くさ」と区別するために「皁」を用いるようになりました。
よく見ると、「皁」は「草」からくさかんむりを除いた字に似ていますよね。
その他「皂」は字体の異なる字。「梍」はさらに、きへんがついた字となっています。
2.杼
「杼」もどんぐりの意味を持つ漢字です。
はた織で、たて糸の間によこ糸を通す道具である「杼(ひ)」に、どんぐりが似ているからとされています。
しかしこの漢字は、ほかにも「トチノキ」の意味を持っています。
トチノキは樹木の一種で、どんぐりがなるブナ科ではなく、トチの実がなるムクロジ科です。
そのため、現在「杼」をどんぐりの意味で使うことはあまりないようです。
3.団栗
「団栗」は、どんぐりを意味する漢字として最も一般的です。
「団」は「まるい」の意味を持ち、当て字として使われました。
一見、甘くておいしい栗団子を想像してしまいますよね。
読み方は「だんぐり」と間違えやすいので注意しましょう。
4.鈍愚利
「鈍愚利」は、坂口安吾の小説「木枯の酒倉から―聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話―」に出てくる言葉です。
貴公のやうな鈍愚利でも時あれば泌むやうに酒が恋しくなるかも知れん。
文章から、「鈍愚利」は樹木になるどんぐりではなく、鈍感な性格的なことを意味すると考えられます。
今のところ、ほかに「鈍愚利」の表記は見られなかったため、この作品特有の表現ではないでしょうか。
どんぐりの3つの語源
どんぐりの語源にも、以下のとおりいくつか諸説がありますよ。
どんぐりの語源
- コマの古名「ツムグリ」
- クヌギの実「橡栗(トチグリ)」
- 「円い(まるい)」の意味を持つアジア圏の言葉
こちらも一つずつ順番に見ていきましょう。
1.コマの古名「ツムグリ」
どんぐりは、遊びで使う回るコマの古名である「ツムグリ」が語源と言われています。
「ツム」は「回転する」、「クリ」は「石」を意味する古い言葉です。
子どもの頃、どんぐりをコマにして遊んだことが思い出され、なんだか懐かしくなりますよね。
2.クヌギの実「橡栗(トチグリ)」
トチノキになる栗「橡栗(トチグリ)」が転じてどんぐりになったという説があります。
たしかにそう思いますよね。
しかし実は、ブナ科であるクヌギの古名が「橡(トチノキ)」なので、どんぐりの由来として十分考えられます。
トチの実の見た目はどんぐりとよく似ています。
「ムクロジ科」「ブナ科」のように以前は細かく分類されていなかったのでしょう。
3.「円い(まるい)」の意味を持つアジア圏の言葉
どんぐりは、「円い(まるい)」の意味を持つアジア圏の言葉が語源となったという説もあります。
その言葉を以下にまとめました。
- モンゴル語:「トグリク(円い)」
- 朝鮮語:「トングルダ(円い)」
- 日本語:「トグロ(円い輪)」
どれも、どんぐりに似ていないこともないですよね。
雑学として身近な人に話してみて!
この記事では、どんぐりの漢字や語源について解説しました。
どんぐりを漢字で書く際は「団栗」が最も一般的です。
また、どんぐりの漢字や語源には、どれも古い歴史を感じることができます。
ぜひ、雑学として身近な人に話してみてくださいね。